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ジョルジュ

Author:ジョルジュ
心母少女最終話更新
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( ^ω^)と無人の城のようです 五話 

3 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 22:39:40.24 ID:M9saCVUi0
あの弦月の夜と同じように、城内は静まり返っている。



狭い視界だけに集中していたブーンは、不意に耳に届いたふくろうの声で、久しく聴覚を意識した。
あの夜、この城に訪れたときからまだ一日しか経っていないのに、今ではその鳴き声も恐ろしくない。

寧ろ今は、動物の声と人の声とを聞き分けるのに必死だ。

未だ耳に届かない後者を、ブーンは鉄扉の間からじっと外を覗き見て、ひたすらに待っていた。
一見、広間にはブーン以外誰もいない。
しかしブーン自身は、背後に”彼”が佇んでいる事を知っている。

”彼”は姿を消しているが、五感を研ぎ澄ましたブーンにはいつしかそれが判るようになった。


4 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 22:43:42.32 ID:M9saCVUi0
その感覚を察知する度、薄ら寒い気配に生唾を飲んでしまう。
とても不自然で、不穏で、そこに存在しているという事が異様なその気配は、どうしても慣れる事が難しい。
情けない、ブーンは自らを叱る。
それでもやはり、また皮膚の奥の血流が”彼”を感じ取れば、ブーンは本能的に恐怖を覚えた。

静寂に乗じて絡みつく、冷えた空気。
ブーンはその一連に、もしくは自分に苛立っていた。


月は城の真後ろに位置しているため、ブーンからは見えないが、その明かりは扉の外の白い石畳を煌々と照らしている。
石畳の脇に咲いた花が音を立て、吹き抜ける風に揺れた。

夜は更けていく。
遠い草原がざわめいた。遅れて鳥の喚くような鳴き声が、次々に折り重なって聞こえて来る。
羽ばたきと共に小さな点が、幾つも幾つも黒い空へと舞い上がった。


5 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 22:47:32.87 ID:M9saCVUi0
( ^ω^)(……)

ブーンが目を凝らす。
突如、城の天辺の鐘が、重く澄んだ音を丘中に響き渡らせる。
その音は城中のあらゆる場所から反響し、音の高さを歪ませながら消えて行く。


時は来た。


あるいは笑みを濃く深くしながら、あるいは意気込みながら、あるいは茶飯事のような感覚に背伸びをしながら。
城の内側に存在するすべてのものたちが、長いような短いようなその鐘の音を聞いていた。




第五話 ― 訪れた討伐隊、塔より高いその意志を笑え無人の城主



8 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 22:51:10.53 ID:M9saCVUi0
小さな点が空から去りきり、今度はいくつもの明かりが揺らぎながらこちらへ行進して来るのが見えてくる。
その景色にブーンは身構えた。様々な物事の再確認が、頭の中を過ぎっては消えていく。

( ^ω^)(右側の扉、廊下をまっすぐ。階段で三階へ、右、左、銀色の大きな扉。
……”逃げ遅れた妹を城の中に残して来ているのです、どうかおたすけを”)

結局中を見る事は出来なかった、ハインの部屋への道順。
ショボンから仕込まれた台詞、その順序。

(;^ω^)(よしよしよし。大丈夫だお、大丈夫)

ブーンは胸の前で、軽く両の拳を握り締める。
やけに汗ばんだ掌の感触が緊張を煽った。


9 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 22:55:18.04 ID:M9saCVUi0
―――結構似合ってるぞ、それ。


(;^ω^)「っおうぅ!?お、おっお、おぶっ!!」

不意打ちで耳に入る、どこからともない声。

屈んでいた体勢から反射的に立ち上がったブーンは、扉の取っ手に頭を強打する。
一瞬目の前の色彩が反転し、眩く光る。気付けばその場に倒れ込み、無意識に頭を抱えていた。


―――くっくっくっ……。

(;^ω^)「わ、笑わないで欲しいお!」

―――ごめんごめん。それもショボンが仕立てたのか?

(;^ω^)「よく判らないけど、そうみたいだお……」

―――やけに手ぇ込んでるのな。


12 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 22:59:32.93 ID:M9saCVUi0
立ち上がり、姿なき声と会話をするブーン。

それ、と呼ばれたのはブーンが着ている、いかにもな痛々しさを演出したぼろぼろの服の事だろう。
どういった経緯でこれが作られたのかは不明だが、まずは形からとショボンに手渡されたものだ。

ブーンの背後、月明かりの当たらないその闇が歪み、薄く白いもやが掛かる。


('A`)「いつもみたく俺が追い出すだけじゃ駄目なのかねぇ」


今度ははっきりと、背後から聞こえる声。
ブーンが後ろを振り返ると、もやの内側に痩身の青年が浮かび、面倒臭そうに頭を掻いていた。

ブーンはその青年を知っている。
つい数時間前、広間で準備を整えていたブーンは、ショボンから彼についての話をあらかじめ聞かされていた。


14 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:04:03.13 ID:M9saCVUi0
(´・ω・`)「日が暮れれば広間に現れるだろうから、覚えておいてね」

ショボンの声がブーンの記憶の中に蘇る。
曰く彼は、日が出ている間は自分の思うように動く事が出来ないそうだ。
最も、ブーン自身は初めて会った訳ではないので、ある程度の覚悟は出来ていた。


( ^ω^)「それじゃ、ハインが言ってた追い出し役って、君の事なのかお?」

('A`)「ははっ。追い出し役って、ははは」

男は妙に明るく笑うと、一転して下を向き、その顔に暗い影を作る。

('A`)「……ああ。ああそうですよ、追い出し役です追い出し役ですとも。どうせ他人様を脅す位しか出来る事無いんだもん……」

あらゆるものを呪う様な陰鬱な声色で、間髪を入れず呟き始めた。
それに応えるように、白く冷たいもやが青年を包む形で嵩を増し、辺りの空気が一層に冷えていく。
ブーンの背が氷水を流されたように、体温を失う。

しまった。
そうブーンが呟いた時には、既に昨日受けたものと同じ悪寒が、体中に纏わりついていた。


16 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:07:56.58 ID:M9saCVUi0
(;^ω^)「そ、そそそんなつもりで言ったんじゃないお!
その、そういう役……も立派で大事なお仕事だし、えーと、格好良いと思うお!」

ブーンが必死に言葉を補う。

どうもあのもやは、青年のテンション次第で辺りへ広がってしまうようだ。
青年の頭が暗い自虐と共に沈んでいくのに比例して、もやはその嵩をみるみる増していくのである。


('A`)「……か、こ、いぃ」

(;^ω^)「おっお!ナントカの下の力持ちって奴っぽいお!」

ほんの少し顔を上げ、青年が湿った目線でこちらを見上げる。
彼の瞳には光が見えない。どんよりとしたその眼差しが、それでも何かを期待するような色をしている気がした。
ブーンはその目から視線を逸らさない様にしながら、必死に、彼を褒め立てた。


18 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:10:31.16 ID:M9saCVUi0
数分後。




('∀`)




青年は広間の天井近くを漂い、とても穏やかに笑んでいた。

いっそ褒め殺しに近いようなブーンの言葉にここまで舞い上がる所を見ると、相当に自分に自身が無いのかもしれない。
そう思いながらブーンは彼を見上げるのをやめ、再び外の様子を伺う作業を続行する。


20 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:14:22.95 ID:M9saCVUi0
どうやら討伐隊は、ほとんど門近くまで来ているようだった。
ぼやけて見えていた明かりが今でははっきりと見え、松明の炎だと分かる。

ブーンの視界で大よその人数を予測する事は出来ないが、少なくとも五十程度の数はあるのだろうか。

先頭を歩く厳つい兜が足を止めた。
その場で振り返ると、大きく息を吸い込み、何やら兵士達に向かって声を張り上げる。
異国の言葉のように聞きなれない発音のものばかりだが、一定のリズムを取って声が放たれた。

それに合わせて、並んでいた兵士達も順々に声を張り上げる。
点呼だろうか、その一連が終わると、すぐに先頭の厳つい兜が扉の方へ向き直る。
すぐ後ろにいた一人の若い兵士が、どこからか取り出した小さな鐘を数回鳴らした。


22 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:18:42.21 ID:M9saCVUi0
(:::::)「城主、ならびに城の内部の人間に告ぐ!
この城はニューソク国家第二百二と第六十六の取り定めによって、国軍が支配する土地と領域に指定された!
国家の総意に代わって、特認ヴィップ討伐隊隊長スカルチノフ・ワルドロルがその意思を命じる!
この城の放棄を要求する、返答を!」


拡声器のようなものを使い、若い兵士の鳴らした鐘の音を遥かに超える声量で、スカルチノフと名乗った兜が告げた。

脳を貫くその声に、ブーンは耳を塞いでいた。
暫くして、扉の隙間が開き過ぎていないかどうかを気に掛けながら、耳に当てた手を離す。

丘が再び静まり返る。
こちらの返答の待ち時間を設けてくれているらしい。
どうせ誰も城からは出てこないが、ブーンはスカルチノフの次の言葉を待っていた。


23 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:21:30.99 ID:M9saCVUi0
(:::::)「繰り返す!この城の放棄を要求する、返答を!
十分以内に返答が確認出来ない場合、国軍への反逆と見なし、討伐を行う!」

(;^ω^)(結局はそれかお……)

何にせよ、無茶苦茶なのは聞いた通りらしい。
ブーンの口から、悔しさを通り越した呆れというか、何というかが凝縮された長い息が漏れる。




( ゚д゚ )「隊長、隊長ったら!もう良いじゃないですか、早いとこ入っちゃいましょうよ!
このまま待ってたってどうせ誰も出て来ませんって、ね!隊長ってば!」

無視を極め込まれても、ひたすらにミルナは声を上げ続けた。
右手に持つ松明の炎が絶え間なく揺らぐ。落ち着きなくスカルチノフの周りを動く度に、鎧が擦れて耳障りな音を立てた。


25 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:24:50.48 ID:M9saCVUi0
隊列から抜け出し、すぐ隣で声を掛けても、スカルチノフは微動だにしない。
ミルナは歯噛む。その表情はやはりいつもと変わらないが、肩が小刻みに震えている。

( ゚д゚ )(とっとと城の中をひっくり返して、化け物なんかいないって証拠を掴んでやりたいのに)

逸る気持ちを抑えられようか、そんな目でミルナはスカルチノフを見続ける。
こちらには見向きもしないスカルチノフの兜が、揺れる炎の赤い光を反射していた。


( ^Д^)「五分経過しました」

兵士の一人が声を上げた。
返事はない。唐突に、スカルチノフが一人前へと進み始める。
時間の経過を知らせたその兵士とミルナは、スカルチノフに着いて行く訳でもなく、ただその歩みを見ていた。


27 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:27:23.39 ID:M9saCVUi0
(:::::)「……」

何歩か進むと、拡声器を持ち上げた。
しかし、何故かそこで声を上げず、スカルチノフの動きが止まってしまう。

向こうに見えている大きな鉄扉へ顔を向けると、兜の目の部分を指で押し上げる。
まるで何かを探ろうとするように、暫くそのまま停止した。

( ゚д゚ )「……なあ、おい、何してるんだ?あれ」

( ^Д^)「さ、さあ……?それよかさ、あの人五分経ったのに警告言わねえぞ?
隊長の考える事ぁよく判らんとは思ってたが、もしかするとあの人、呆けが来てるんじゃねえだろうな」

そう言いながら、顎でスカルチノフを指す。
ミルナが再び目線を戻すと、やはり拡声器を持ったままで動きは止まっていた。
その兵士、プギャーの言う事がやけに現実味を帯びているように思えて、ミルナは胸に小さな不安を抱く。


28 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:30:16.80 ID:M9saCVUi0
(:::::)「もう良い」


兵士達が困惑し始めた、まさにその時だった。

その場にいた全員が、スカルチノフの方へと視線を戻す。
振り向かないその背は威圧感に満ちている。
その威圧すら物ともしないように、ミルナはスカルチノフへ駆け寄った。

( ゚д゚ )「た、隊長!今、今何て!」

(:::::)「お前さんの言う通りじゃ。このまま待っていても時間の無駄じゃろ」

スカルチノフはそう言うと、再び鉄扉へと向かって歩き出す。

ミルナの肩が一気に震えを増した。
決して急く気持ちからではなく、自分の話が聞き入れて貰えたという喜びからである。


31 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:34:35.12 ID:M9saCVUi0
(;^Д^)「隊長、まだ六分しか!……それに、せめて国家の取り定め最低限の待ち時間を設けないと!」

(:::::)「もう良い。もう良いんじゃよ、若造」

詰め寄る兵士に、スカルチノフは重たそうに首を動かして、兜を着けたままの顔を向けた。
兵士が怯んだ。自分を振り返ってくれるとは思っていなかったのか、その表情は強張っている。

(:::::)「国家が決めた阿呆らしい取り定めなんぞ。わしは、どうでも良いんじゃよ」

兵士が眉間に皺を寄せる。

矛盾した言葉に、ミルナは違和感を感じた。
隊長は何を言っているのだろう、何を伝えようとしているのだろうか。

阿呆らしい取り定め。間違いなく、その取り定めの元で動いている兵士が言えた事ではない。
兵長である彼がそんな言葉を吐いていたと、もし科学者に知れればどうなるか。
ほんの少しも言い濁した様子はなく、さらりとスカルチノフはその台詞を言ってのけたのだ。


34 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:37:43.72 ID:M9saCVUi0
扉まであと数歩という所で、スカルチノフは足を止めた。
拡声器を持つ手を横へ上げる。慌てて一人の兵士が走って行き、それを受け取った。


スカルチノフの右手が、ゆっくり、ゆっくりと、頭上へ掲げられる。
その人差し指が、天を指す。

ミルナは周囲の時間が遅くなってしまったかのような感覚で、それを見ていた。
スカルチノフのその指は、この国で一番高いとされる科学者達の塔の何倍も高く、大きく見える。
夜の闇や黒い雲など、嘲り笑うような赤い月など、すべてを突き抜けて吹き飛ばしてしまいそうに見える。

それが倒れていくように、やはりゆっくりと前へ降りていく。
無人の城、鉄扉の方へ。

その位置に来ると、指はぴたりと止まる。
冷たい風が吹き抜けていく。兵士の誰もが、言葉を発するのをやめていた。


39 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:40:40.94 ID:M9saCVUi0
(:::::)「突入」

その声は既に、老兵のものではなかったのだ。




(;^ω^)(や……ややや、やばいお!何か皆さんが盛り上がっちゃってるお!
このまま突入なんかされたら、誰も気付かずに僕を踏み倒して進んでっちゃう予感しかしないお!)

討伐隊の会話を聞いていたブーンは、こちらを差すスカルチノフの指でやっと我に返った。
見上げると、既にあの青年の姿は無い。準備に入ったのだろうか。


40 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:43:59.88 ID:M9saCVUi0
考えている間にも、討伐隊の兵士達はスカルチノフに続いてどんどんと近付いて来る。

(;^ω^)(あー、もう!)

自分では何かが変わったようには見えなかったが、既にビロードから顔を”別の人間のもの”に変えられているのだ。
体中ののどこかから、生々しく心臓の鼓動が聞こえた。きっと大丈夫、そう自分に言い聞かせる。

ブーンは覚悟を決めた。

鉄扉に寄り沿うと、どうか兵士が雄叫びを上げたりしながら走り出しませんように、と不特定の誰かに祈る。
そのまま全体重を込めて、扉へ圧し掛かった。


42:◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:46:10.57 ID:M9saCVUi0
重い音が響く。

しかしそれは、鉄扉の開く音ではない。
力を込めたもの同士が、思い切り激突する音である。


(:::::)「……」

スカルチノフは、見事に兜を減り込ませる形で地面へ突っ伏していた。
その上に、ぼろぼろの服を着たブーンが倒れこんでいる。

余談だが、鉄扉は城の内側から外へと開く形になっている。

いざ行かんとしていた兵士達の顔が、みるみる真っ青になった。
そのうちの一人が咄嗟に、硬直したブーンの元へ走って来る。
よいしょ、よいしょと声を上げながらブーンをスカルチノフの隣へ退かすと、一息ついてから兵士が叫んだ。


44 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:48:46.77 ID:M9saCVUi0
(;^Д^)「だ、誰だっ!貴様っ!」

ブーンの背に剣の鞘を押し当てると、威嚇しているのか体重を乗せる。
鞘に押されている背骨が嫌な音を立てた。それに反応し、ブーンが悲鳴を上げる。

(;^ω^)「う……、あ痛っ、いった!いたーいー!!
ぼ、僕はここの住民じゃないですお!可哀想な青年Aですお!助けてー!!」

辛うじてブーンは、下手なアドリブを織り交ぜながらも返事をした。
ぼろぼろに加工されていた服が、石畳へはみ出た土を受けてさらに薄汚れていく。

(;^Д^)「自分で可哀想なんて言う奴があるかっ!!」

さらに力を込めて、兵士は鞘で背中を突く。
兵士自身も混乱しているのか、段々生々しくなる悲鳴に応えるように突きはヒートアップしていく。


45 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:52:12.41 ID:M9saCVUi0
(:::::)「止せ、プギャー。これ位屁でもないわ」

(;^Д^)「は……!し、失礼しました、隊長!
……あ、いやそうじゃなくて!如何致しましょう、怪しいっすよこいつ!」

( ;ω;)「おーん!背骨折れちゃうお!おーん!」

涙声で訴えるその声すら聞こえていないように、プギャーと呼ばれた兵士は鞘を立てたまま応じる。

(:::::)「ふむ。プギャー、少し下がれ」

プギャーに命じると、スカルチノフはブーンの方へ歩み寄る。
兵士達が再びざわめいた。

( ^Д^)「りょっ、了解!」

鞘を立てるのを止めると、ブーンは背中を押さえ、情けなく尻を上げた格好になる。
スカルチノフはその前に歩み寄り、屈み込むと、いきなりブーンの顔を覗き込んだ。


47 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 23:55:20.19 ID:M9saCVUi0
(;^ω^)「お……?」

思わず、ブーンが声を上げる。
スカルチノフの眼は、兜の間から鋭い眼光を発していた。

そのまま両者黙っていたが、ブーンははっとする。
折角ショボンに仕込まれた台詞を言い忘れていたのだ。

(;^ω^)「こうしちゃいられないお!兵士さん方、大変、大変なんですお!
城の中の妹が、逃げ遅れたから助けて欲しくて、だから残してて、僕は城の中を知ってるから、その……えっと、おたすけを!」

兵士達の視線が、どこまでも冷ややかにブーンへ突き刺さる。
ブーンは、アドリブを交えれば交えるだけ本来の台詞が崩れ易くなるという事を、今知った。


(:::::)「……。ふぉ、ふぉ、ふぉ」

老人らしい笑いを、スカルチノフが零す。


49 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:00:02.59 ID:9d2K0Ueg0
兵士達の何人かが、この一日で一生分の驚きが訪れるのではないかと予感する。
この時だけはミルナも野暮な突っ込みを入れずに、いつも半開きの口を顎が外れてしまう勢いで開けていた。


一頻り笑うと、スカルチノフは徐に兜に手を掛ける。
ブーンは何事かとそれを見ていたが、完全にその顔が見えるようになってから驚愕した。

/ ,' 3「なかなかの演技じゃの、小童」

こちらの反応を伺うように、楽しげに声を弾ませる。
歳と共に重ねたものであろう皺が刻み込まれたその顔、小童という呼び方。
紛れも無く、それはあの老人のものだった。

(;^ω^)「お、お爺さんっ!?」

ブーンはその場で立ち上がろうとするが、上手く腰が立たず、座り込んでしまう。
スカルチノフは意味ありげに笑うと、ブーンの頭を軽く叩いた。


51 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:03:03.67 ID:9d2K0Ueg0
/ ,' 3「やはりな。顔を変えても無駄じゃ、わしに妖術は通用せん」

そこまで聞いて、ブーンははっと気付く。

自分の顔は別人のものになっている筈。
それをどうして見破られたのか。
昨日の数十分の会話で、まさか声を覚えられていたのか。


(;^ω^)「何で、どうして僕だって判ったんだお!?」

/ ,' 3「はっ。そうやって否定せんあたり、相変わらず抜けとるの」

(;^ω^)「あ……、あうあう!」

馬鹿だった。
ここで否定すれば、まだ別人のふりを出来たかもしれないのに。
違う、そう言いかけてすぐ、老人はブーンの口を掌で抑えた。
口の中で続きを言うブーンに、老人が素早く耳打ちをする。


54 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:07:14.31 ID:9d2K0Ueg0
/ ,' 3「演技を続けろ」


その声は、あのお爺さんとは別の人間のようだった。雄々しく、経験を積んだ戦士のように聞こえる。
ブーンは息をぐっと押し込むと、その意図を探りながらも、とりあえず頷いてしまった。

演技を続けろ、とはどういう意味なのか。
この時点でスカルチノフには、自分の正体がばれている。恐らくこの城の実態は、あまり外には漏れていない。
これからスカルチノフは、何を始めようとしているのだろう。


/ ,' 3「ミルナ!」

威勢のいい声で、スカルチノフが若い兵士を呼び付ける。


56 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:10:34.99 ID:9d2K0Ueg0
( ゚д゚ )「な、何でしょうっ!?」

/ ,' 3「お前はこの青年と最後尾を行け!彼は普通の町人だ、戦う力はない。お前が彼を守れ!
……聞けお前達、この青年は城の内部に詳しいそうだ!彼の情報は、これからの内部突入に役立つとわしは見とる!
同行を許可し、城に監禁された彼の親族を探す事をこれからの予定に加えようと思う!」

若い兵士、改めミルナがぎょっとする。
冗談ではない。スカルチノフの言う通りなら彼の同行は有利になるが、それを自分が護衛するなんて。

(;゚д゚ )「そんなあ!他の人じゃ駄目なんですか!?」

/ ,' 3「お前が一番適しとるんじゃよ、文句を言わずに最後尾に回らんか!」


58 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:13:18.03 ID:9d2K0Ueg0
声を張り上げ、ミルナの抗議を両断する。
その威勢に負けてしまい、ミルナは抗議をやめて唇を噛む。渋々とブーンの隣へ行き、乱暴にその腕を掴む。

( ゚д゚ )「……、とっとと立て!」

抗議を押し込めたその声は、悔しさと行き場の無い苛立ちが半分ずつに滲んでいた。
ブーンはその腕を借り、座り込んだままの体勢から立ち上がる。




************


59 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:15:29.89 ID:9d2K0Ueg0


ξ;゚⊿゚)ξ「どういう事……!あの老兵とブーンが、なぜ互いを知っているの!?
ハイン様、ブーンは記憶喪失ではなかったのですか!?」

从 ゚∀从「……」


城の中枢―――心臓、とも呼ばれるそこ。


壁も床も黒い大理石が覆っており、その所々に緑と青の中間の色をした石のようなものが光を放っている。

その色と同じ水が並々と湛えられているのが透けて見える、六角形の巨大な箱。
装置に嵌め込まれ、部屋の中央に置かれたそれ以外には、椅子も家具も何もない。
部屋に人工的な明かりはないが、中央のそれと壁に埋め込まれた発光体がその代わりを務めている。

箱の前に、巨大な泡のように波打つ球体が浮いている。
その球体には、城の扉の前で繰り広げられるブーンと討伐隊のやりとりが映っていた。


61 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:18:18.51 ID:9d2K0Ueg0
ハインはツンへ返事をせず、難しい表情でそれを見ている。
暫くすると、最後尾にブーンと一人の兵士を控えた討伐隊が、ぞろぞろと城へ入っていった。


ξ;゚⊿゚)ξ「あ、ああっ!ハイン様、あいつらそのまま入って……うわっ、まさかブーンを人質に取るつもりじゃ!」

从 ゚∀从「あいつはそんな汚い事しねぇよ。安心しろ」

ハインは小さな、しかしはっきりと何かを確信した声で、ツンの言葉に割り込んだ。

ツンが振り返る。
ハインの横顔は大きな襟で隠れ、ツンからはよく見えない。
どうにか表情を読み取ろうとするが、不意にハインの上半身が大きく屈んだ。
前のめりになり、その腕は腹部を押さえている。


63 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:20:43.28 ID:9d2K0Ueg0
ξ;゚⊿゚)ξ「ハイン様……!?」

慌ててその体に触れようとすると、途端、上半身が大きく揺れた。
伸ばされていたツンの手が怯む。
ハインの体が揺れる。だんだんと揺れは一定のリズムを取り、ツンはそれが笑いである事に気付く。


从 ゚∀从「―――、―――」


音程の無い、小さな息遣いが部屋に響く。

ハインが体を起こし、首をもたげる。
その目が、異常な程に輝いている。
その輝きは奇妙で、とても不敵だった。

大きく開いた口からは、声無き笑いが漏れ続けている。
そこから覗いている八重歯が、笑いが漏れる度に煌く。


64 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:22:34.01 ID:9d2K0Ueg0
ハインの癖の一つに、高笑いがある。
これまでにその笑いを何度も見て来たツンは、今まで見てきたどれよりも、今の彼女が楽しそうに見えた。




―――面白い事してくれやがるじゃねえか、なあスカルチノフ。





67 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:24:55.35 ID:9d2K0Ueg0
************




(;゚д゚ )「隊長、駄目です!開きませんっ!」

ミルナが叫ぶ。
その顔からは、彼にしては珍しい程の焦りが滲み出ていた。


「無線入らないぞ!この丘、まだ電波が届くの範囲に入ってただろ!おいっ!」

「何故だ、どうして打ち破れない!」

「なあ、元から鍵なんて掛かってないんだぞ、この扉……!」


月明かりだけに照らされた広間に、兵士達のどよめきが広がっている。
断続的なドアノブを引く音、体当たりの轟音。それが余計に、兵士達の混乱を煽った。


69 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:27:21.56 ID:9d2K0Ueg0
”通路への扉が勝手に開いた”。

兵士の数名がそう言い始めたのと同時に、ついさっきまで開け放たれていた外への扉が、急に閉まったのだ。


(;^Д^)「畜生、んだよこれ!何回ぶつかってもビクともしやがらねぇ!」

擦り切れた服の肩を抑えながら、プギャーが叫んだ。

その光景の中、スカルチノフは開いた方の扉へ目をやる。
扉の奥に人影はなく、どこまでも続くように思えてくる暗い廊下だけが見えた。

/ ,' 3(こちらを誘っているのか……!)

スカルチノフが舌打つ。
考えを巡らせた直後、背後から低い悲鳴が上がる。
スカルチノフが振り返ると、つい今まで肩を抑えていたプギャーが頭を垂らし、自らを抱えるようにしていた。

(;^Д^)「う、……あ!あ!やめ、……!んぐっ!んーっ!」

咳き込むような声を上げると、突如両手で口を押さえる。
明らかにその姿は異常だった。目に涙を一杯に溜め、首をぶるぶると振る。
ミルナを含む兵士達の数名は扉から離れ、口を押さえながらも苦しげな声を漏らすプギャーに近寄ろうとする。


71 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:30:33.27 ID:9d2K0Ueg0
しかし。

(;゚д゚ )「うわ……っ!」

プギャーまであと僅かの所で、何故かミルナがその場に膝をついてしまった。
他の兵士達も同じように、ある程度までプギャーに近づくと力が抜けたように膝をつき、倒れ込んでしまっていた。


(;^ω^)(……判ってはいたけど、凄い光景だお)

この現象の原因を、ブーンは知っている。
扉の前で立ち竦んだまま、どんどんと倒れていく兵士をただ眺めていた。

全て、作戦通り。


/ ,' 3「罠かっ!それ以上近づくな!」

まだプギャーの元へ向かおうとしていた兵士に、スカルチノフが制止をかけた。


73 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:33:21.19 ID:9d2K0Ueg0
(;゚д゚ )(寒い、寒い、寒い寒い寒い!)


突如として体中を襲った悪寒に、ミルナは歯を鳴らしていた。
体の力が削ぎ落とされたように落ち、倒れたまま動けなくなる程、寒い。

スカルチノフの声が耳に入る。
ミルナには、この寒さが罠のもたらしたものとは考えられなかった。
毒ガスにしては矛盾がありすぎるし、他に思い当たるような方法が無いからだ。

他の兵士の何人かが、自分と同じように倒れているのが見える。
皆、今の自分のような寒気に襲われているのだろう。ミルナはそう直感していた。


/ ,' 3(やはり、そう簡単には攻略させてくれんな……!)

スカルチノフが皮肉な笑みを浮かべる。


74 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:36:08.80 ID:9d2K0Ueg0
様々な考えの中で、スカルチノフは常にある人物の顔を思い浮かべていた。
この城に向かう時からずっと、その人物の顔を頭から離さないように意識していたのだ。


(  Д )「なあ、後悔しただろ?来なけりゃ良かったって思っただろ?」

/ ,' 3(!?)

スカルチノフは、妙に落ち着いたプギャーの声で我に返る。
自らを抱えていた腕はだらしなく前に垂れ、その体はよく見れば―――地面から少し離れた所に、浮かんでいた。

(;゚д゚ )「……プギャー!」

悪寒で気を失わないように、必死に意識を繋ぎ止めながら、ミルナは声を絞り出す。
その呼び声には目もくれず、プギャーは言葉を続ける。

(  Д )『兵士も楽じゃないね、こんな所に向かわされて。……可哀想に、お前ら皆、ここで死ぬんだよ』


75 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:39:58.97 ID:9d2K0Ueg0
その声色に重なって、少しづつ別の人間の声が聞こえて来る。
同時に、プギャーを包み込むようにして、白いもやが現れた。


それが合図である事を、ブーン以外に知り得る者はいない。


( ^ω^)「皆さん、早く逃げて下さいお!そこに倒れている兵士さん方のように、力を失ってしまいますお!」

ブーンは計画のままに、その言葉を、もしくは台詞を叫んだ。
兵士達が再びどよめく。数名が恐怖から外への扉を叩くが、やはりびくともしない。

スカルチノフがこちらを振り向いたが、ブーンはすぐに視線を逸らした。
これが演技であるかどうかを見抜かれてはいけない、そう思ったからだ。


76 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:42:55.32 ID:9d2K0Ueg0
/ ,' 3「外への扉はまだ開かんのか!」

「駄目です、あれから色々試してみましたがどれも効きません!」

残った兵士達のほとんどは、外への扉の前にいた。
それに向かい、スカルチノフは再び声を掛ける。

/ ,' 3「……止むを得ん、他の出口を探すぞ!まずはここを出る、残った兵士は着いて来い!」

その命令を聞くと、各々ばらばらな軌道でスカルチノフの方へ駆け寄って来る。
兵士達の顔を確認し、スカルチノフはブーンへ声をかける。

/ ,' 3「青年よ、妹とやらの居場所は判るのか!」

( ^ω^)「はいですお!妹がいる部屋の近くには、外へ通じる場所もありますお!
どうか、そこまで案内させて欲しいですお!」

ブーンがそれに応える。
架空の存在である妹の事はもちろん、出口を知っているという話も咄嗟の嘘だ。

それを聞いた兵士達は、口々に感嘆の声を漏らしていた。
ブーンは心の中でガッツポーズを取る。

 
79 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:45:54.81 ID:9d2K0Ueg0
/ ,' 3「そこの扉からでも大丈夫だな?」

スカルチノフが指したのは、さっき開いていた扉だった。
ブーンが頷く。スカルチノフも頷きで返すと、兵士達の方を向いた。

/ ,' 3「判った、しっかり着いて来い!行くぞ、お前達!」

声を上げると、広間の奥の開いた扉へと向かって走り出した。
ブーンと兵士達もそれに続いて、スカルチノフの後ろを走り出す。


何かをぶつぶつと呟いていたプギャーが、走る兵士達の方を向く。
声を上げて笑うと、沈めていた頭をゆっくりと持ち上げる。


81 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:48:50.27 ID:9d2K0Ueg0
('A`)(  Д )『逃げるのか。臆病者の群れめ』


その背後で、プギャーの肩に手をついた一人の青年が現れる。
同時に声を上げると、突然プギャーが泡を吹く。そのまま崩れるように地へ落ち、倒れる。

背後にいた青年の体は透けている。
それに気付いた兵士達が情けない声を上げ、走る速度を上げ始めた。
青年は宙に浮かんだままで、兵士達を追う。


「追い掛けて来てるぞ、あいつ!」

「てめーこら早く走れええええ!俺ああいうの駄目なんだよっ!」

「俺だって怖いんだよ!ばか!ばか!」


/ ,' 3「余所見をするなぁ!黙って走らんか!」

混乱し、口々に何かを喚く兵士達をスカルチノフが一喝する。
そのまま、扉の向こうの闇へ次々と駆け込んで行った。


84 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:50:07.32 ID:9d2K0Ueg0
('A`)(……行ったか)


ある程度まで兵士達を見送ると、追うのを止め、逃げていく背中を見詰める。

広間へ戻ると、兵士達が死屍累々と倒れていた。


('A`)(今回はビビりばっかだったなぁ。助かるから良いんだけど)

頭を掻くと、彼らを外へ放り出す作業に入るため、倒れた兵士の元へ向かう。
ここで死ぬ、とは彼らを脅すための口上だが、本当に死んでしまったように皆顔を青くしており、滑稽である。

('A`)「はーこべはこべ死体をはこべー」

口ずさみながら、一人の兵士の足を掴む。
そのままずるずると引き摺り、鉄扉の前まで来ると片手の指を鳴らした。
すると扉は、重々しい音を上げながら独りでに開く。


そうして外へ出ようとした、その瞬間だった。
 
 
85 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:54:01.71 ID:9d2K0Ueg0
(; д )「……うおおおおおおおおおおおっ!!!」


('A`)「あ?」

背後から雄叫びが上がる。
振り返ると、一人の兵士が脱兎の如く開いた扉へ向かって走り出していた。

逃げ遅れていたのだろうか。
何にせよ、まだ意識を保っていた人間がいた事に、青年―――ドクオは驚いていた。


(; д )「みとめない!みどべないっ!ぜっだいにっ!びどめないっ!
あって良い筈が無いんだよォこんな事!僕を見ろ!こんなに元気じゃないかっ!!寒くなんかないぞおおおおおっ!!」


狂ったように絶叫しながら、兵士は恐ろしい速さで扉から出て行ってしまう。

呆気に取られ、その兵士を追うでもなく、ドクオはその光景をただ見ていた。
広間に静寂が戻ると、ドクオの口から自然に笑いが漏れる。

('∀`)「……ハハ」


後悔するだろうよ、あらゆる意味でな。
 
87 :◆TARUuxI8bk:2008/06/23(月) 00:57:29.94 ID:9d2K0Ueg0
暫くドクオは、そこから動かずにいた。

足元に置いたままの兵士が呻き声を上げる。
思い出したようにその首根っこを掴むと、再び外へ運び出す作業へ戻って行った。




― 第五話 了
 
 
 
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