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ジョルジュ

Author:ジョルジュ
心母少女最終話更新
完結おめでとうございます。
08/03

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( ・∀・)モララーは本格的に駄目なようです 四話 

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:49:25.73 ID:aUalDh0W0

 いつしか、そこは戦場だった。
 「戦争」などと言うものを明確に知らない僕でさえ、それを一瞬で連想した。
 血飛沫が舞い、怒号が飛び、誰もが「赤」に濡れている。
 そこはきっと、戦場だった。
 僕はきっと、死人だった。



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:49:55.58 ID:aUalDh0W0

四話 しちのはじまり




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:50:25.95 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「仕事熱心で何より……早かったね」

 目に見えそうな程の威圧感を纏い、彼女はこちらに向かってくる。
 見た所、手ぶらで武器になりそうなものも持っていない。
 服装に至っても、至極ラフなもので、取り立てて「殺し屋」と呼ぶべき要素はないようだ。
 ただひとつ、並々ならぬ殺気を除いては。

(*゚ー゚)「ご依頼に変更はありませんか? お客様」

 額を冷たい汗が伝う。
 今すぐにでも逃げ出したい衝動が暴れる。
 ただ、やるだけの事はやらなければならない。



60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:50:56.57 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「変更ねぇ……それより、これを見て貰えるかな?」

 内心で「こいつをどう思う?」と続け――僕は懐から拳銃を抜いた。

(*゚ー゚)「言いたい事はそれだけですか?」

 その瞬間、「殺し屋」は僕までの距離を一瞬で詰め、拳銃を持った腕ごと蹴りでなぎ払い――

( ・∀・)「参ったな……」

 僕が目で追えたのはそこまで。



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:51:51.88 ID:aUalDh0W0

 気付けば僕は倒れこんでいて、目の前では「殺し屋」の足が静止していた。
 頭のすぐ後ろの方で、「カラン」と乾いた音が鳴った。

(*゚ー゚)「おもちゃの拳銃で私に挑もう、と? ……”策士”」

 やはりばれていた。
 足が退いたのを見計らい、立ち上がる。体の具合を確かめるが、幸い怪我はないようだ。



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:52:22.18 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「本物の”殺し屋”なら、銃相手に変に怯んだりしないかなぁ……何て」

(*゚ー゚)「……”策士”が直々に、何の用ですか? 私はもう”殺し屋”でも何でもありませんが」

( ・∀・)「あ、やっぱりそうだったんだ。まぁ、用って訳でもないんだけど……」

 「殺し屋」が恐らくもう前線にはいないであろう事は知っていた。
 特に根拠があったわけではないが、今現在ここら一体を騒がせている「殺し屋」は、また別の誰かだろう。

(*゚ー゚)「今の”殺し屋”は組織の人間でしょう……気に食わない」



63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:52:52.54 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「君ならそう言うと思ったよ」

 「殺し屋」は「知った風な口を」とでも言いたそうな目で僕を睨んだ。
 そして、すぐにその場を立ち去ろうとしたので、僕は慌てて声を上げる。

(*゚ー゚)「用はないんでしょう?」

( ・∀・)「あー……君、今は電話番でしょ? 昼間は何かしてるの?」

(*゚ー゚)「……答える義理はありませんね」

( ・∀・)「釣れないなぁ……」



64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:53:22.88 ID:aUalDh0W0

 そこから僕は、自身の中のスイッチを入れる。
 「策士」と呼ばれた僕に、恥じぬよう、全てを見通す目をもって、全てを欺く皮をもって。
 特撮のように変身する訳ではないので、所詮は気分の問題なのだけれど。

( ・∀・)「今の”殺し屋”……君を狙ってるそうだね」

 立ち去ろうとする背中が、停止した。
 僕は平坦な調子で続ける。

( ・∀・)「”策士”はそろそろ動く。”駒”が揃い次第、すぐにでも」

(*゚ー゚)「”不干渉”が”策士”の在り方では……?」

 大袈裟に両手を広げ、仰々しく言葉を繋ぐ。



65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:53:53.51 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「僕は自ら”策士”を名乗った訳でも、自ら”不干渉”を謳った訳でもない」

(*゚ー゚)「……私にどうしろと?」

( ・∀・)「あ、警戒する必要はないよ。僕は君が好きなんだ。死んで欲しくないだけさ」

(*゚ー゚)「白々しい……」



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:54:23.89 ID:aUalDh0W0

 「策士」の異名が持つ威力は大した物だが、変に警戒させてしまう点では頂けない。
 噂が噂を呼び、とうに僕の理解を超えた所まで飛躍しているようだ。
 僕の「策」など、精々小銭を稼ぐ程の役に立たないというのに。
 ただ、それを逆手に取る事は出来る。
 「策士」を「策士」めたる噂の中に、「”策士”の連絡先を知る者はいない」というものがある。
 これは恐らく、僕が「策士」と呼ばれていたその時期、携帯電話を持っていなかった事が、人々の間を伝わる内に肥大してこうなったのだろう。
 実際、持ってはいたのだ。余りに使わない内に持っている事を忘れていた。
 蓋を開ければ、こんなにも下らない。



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:54:57.34 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「本当だよ。何かあったらすぐ連絡してね」

 そういって紙切れを差し出す僕を「殺し屋」は訝し気な目で見遣った。
 連絡先を教えない「策士」の連絡先。
 それは信用を示すに十分だったようで、「殺し屋」はそれを受け取った。

( ・∀・)「ふう……何とか地獄絵図は免れた」

 これで「終わりよければ全て良し」で形がつきそうだ。
 十二分に及第点と言えるだろう。



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:55:43.00 ID:aUalDh0W0

 息を吐き、ベンチに腰を下ろす僕の目の前に、缶ジュースが差し出された。

从 ゚∀从「……お疲れ様」

( ・∀・)「あれ? もう三時?」

 携帯電話を開いて確認すると、時刻はやはり三時。
 「殺し屋」と会っている内に、三時間が経過した事になる。

( ・∀・)「いやー……怖かった。もう仕事は終わり?」

 彼女は短く「うん」と答えて、僕の隣に座った。
 呼びつけたのは良いものの、やはり今回も無計画だ。



71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:56:13.51 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「ねぇ、ハイン?」

 彼女はやはり短く「うん?」と答えて、僕を見る。
 今も尚、計画を練る僕の頭が導き出したのは、やはり稚拙な愚策だった。

( ・∀・)「あー……、友達なんだし、取り敢えずブランコでもしよっか?」

从 ゚∀从「……うん」

 彼女が淡く笑って、立ち上がる。
 愚策はそれでいて、成功らしかった。



72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:56:44.51 ID:aUalDh0W0

四話 しちのはじまり おわり



 
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