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ジョルジュ

Author:ジョルジュ
心母少女最終話更新
完結おめでとうございます。
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(´・ω・`)は天の川を渡るようです 

640 :(´・ω・`)は天の川を渡るようです 1/9:2009/07/07(火) 23:49:08.79 ID:9zSZqb+S0
車の時計は既に深夜を示していた。
とうに陽は落ち、空は闇に包まれている。

だが地上は、外灯やら店のネオンやら車のヘッドライトやらで眩しいくらいに明るい。
人々の喧騒も昼間と比べて衰えを微塵も見せない。
どこもかしこも明るくきらめき、人の顔さえ光り輝く。

そんな繁華街の路肩に停まった黄色いタクシー。
その中で私はカーラジオに耳を傾けていた。
明るい女性DJの声が車内に響く。

『皆さんこんばんわ、今日は七夕ですね!
 リスナーの皆さんは短冊に何かお願いをしたでしょうか―――』


641 :(´・ω・`)は天の川を渡るようです 2/9:2009/07/07(火) 23:51:18.34 ID:9zSZqb+S0
(´・ω・`)「七夕……そういえばそうだったか」

一人呟き、時計に目をやる。
確かに日付は七月七日となっていた。
この頃は目まぐるしく日々が過ぎていたため、七夕などすっかり失念していた。

『七夕といえば、織姫と彦星ですね! 天の川を渡り、今宵二人は逢瀬することができたのでしょうか?』

天の川。
私は窓を開け、空を見上げてみた。

(´・ω・`)「曇り、か……」

やはり空は暗黒に包まれていた。
月光も通さぬ厚く暗い雲が、一面の空を覆っている。
まぁ、梅雨の時期だから致し方ない。

仮に晴れていても、地上がこれだけ明るいと星など見えないかもしれないが……



642 :(´・ω・`)は天の川を渡るようです 3/9:2009/07/07(火) 23:53:47.18 ID:9zSZqb+S0
私が運転席から空を見上げていると、反対側のドアが開いた。
スーツを着た若い男だ。
酒が入っているらしく、少々顔が赤い。
  _
( ゚∀゚)「おうおやっさん、VIP駅まで頼むぜ」

(´・ω・`)「把握しました」

アクセルを踏み、車を走らせる。
しばらく車を進ませると、ほどなくして信号待ちとなった。
前を走る車は多く、なかなか目的地へ進まない。
長い信号待ちに暇をもてあましたのか、男が私に話しかけてくる。
  _
( ゚∀゚)「なあおやっさん、あんたさっき窓から頭出してなにやってたんだい?」

(´・ω・`)「ああ、これですよ」

カーラジオのスイッチを入れると、DJの軽快な声が車内に響きだした。

『七夕の天の川、今日は残念ながら曇りで見えていませーん……
 ですが、きっと雲の上では織姫と彦星が仲睦まじくしていることでしょう!』




644 :(´・ω・`)は天の川を渡るようです 4/9:2009/07/07(火) 23:55:59.06 ID:9zSZqb+S0
  _
( ゚∀゚)「ああ、七夕ね……そういえばそうだったなあ」

(´・ω・`)「ええ、私もついさっきこれで思い出したんですよ」
 _
(#゚∀゚)「ケーッ! 雲の上じゃあ彦星と織姫がヨロシクやってるっつーのによー!
     俺の織姫ちゃんはどこにいるんだっつー話だよコンチクショー!」

(´・ω・`)「ははは、まあまあ」
 _
(#゚∀゚)「しかも曇りで天の川見えねーじゃねーか! なんだよ、出歯亀もさせてくんねーのか!
     いいご身分だなあ! 一年に一度だけでも逢えるだけありがたいと思え! 俺には相手いねーんだよお!」

それから目的地に着くまで、男は延々と愚痴を零していた。
愚痴は別に構わないのだが、時々窓から身を乗りだしてカップルに怒鳴り散らすのは勘弁して欲しい。



645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 23:58:15.31 ID:9zSZqb+S0
料金を払い、織姫と彦星に罵詈雑言を浴びせながら去っていく男を見送りながら、
私は先程通った繁華街を思い返していた。

(´・ω・`)「天の川……か」

道路の両端にきらめく外灯。
光の帯を描くネオン。
道路に溢れるヘッドライト。
仲睦まじく歩く男女。

もしあの街を空から見下ろす事ができたなら、まるで天の川の如く映るのではないだろうか?


私はもう一度、あの繁華街を思い返した。

私の脳裏に浮かぶそれは、もはやかつての繁華街ではない。
思えば思うほど確信が持ててくる。
光に包まれ神秘的にきらめく、ミルキーウェイであった。



647 :(´・ω・`)は天の川を渡るようです 5/9:2009/07/08(水) 00:00:44.47 ID:mso+0tfg0
『みなさん、短冊に願い事はしましたか? 短冊に願いを書いて笹に掛けると願いが叶う! かも。
 織姫のいない彦星さんも、彦星のいない織姫さんも、これでステキな恋人と逢えるかも知れませんね!』

(´・ω・`)「そうか、短冊……!」

私は急いで車を走らせ、あの繁華街へ向かった。
信号待ちのうちにダッシュボードを漁り、要らないメモ用紙とペンを出す。
紐は……私の靴紐でいいか。

程なくして、またあの繁華街へ着く事ができた。

きらめく街灯。
光の帯を描くネオン。
道路に溢れるヘッドライト。
仲睦まじく歩く男女。

道路は光の洪水に飲まれ、神々しく輝いている。
やはり、ここは天の川だ。

私はいつしか、天の川を車で渡っているような錯覚に陥っていった。



649 :(´・ω・`)は天の川を渡るようです 7/9:2009/07/08(水) 00:04:43.47 ID:VRDKg8aJ0
適当な路肩に車を停め、紙とペンを持って降りる。
神秘的な光彩に包まれながら、私は街路樹の傍に立つ。
笹でないのは残念だがここに短冊を吊るすとしよう。

(´・ω・`)「願い事はどうしようか……?」

商売繁盛? 縁結び? 無病息災? いや、どれも独りよがりではないか。
世界平和? 景気回復? 出生率増加? ううむ、どうも硬い気がする。

散々悩みぬいた末にある一言を紙に書き込み、私の靴紐を解いて街路樹に吊るした。
ペンを根元に置き、車に戻る。

また車を走らせ、天の川を渡り始める。

ふと私は思った。この天の川は幻想などではない。
きっと天の川の方から、見易いように降りてきてくれたのだ。
闇の彼方で寂しく輝くのではなく、人々と共にきらめく事を選んでくれたのだ。

これは日々の疲労から来る妄念か。
それとも織姫と彦星からのささやかな贈り物か。
どちらにしても、私にとっては夢のような一時であった。


神秘的に輝く天の川。その中を、一台の黄色いタクシーが渡っていった。
空から見れば、それはおそらく流れ星のように見えた事であろう―――




650 :(´・ω・`)は天の川を渡るようです 8/9:2009/07/08(水) 00:06:58.48 ID:mso+0tfg0
( ^ω^)「ツン! ツン! 見るお!」

ξ゚⊿゚)ξ「何よ、うっさいわね……」

( ^ω^)「この街路樹、短冊が吊るしてあるお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ええ? 短冊にしてはずいぶん質素ね……紙はメモ用紙だし、この紐は靴紐じゃない?
       しかも短冊は笹に吊るす物でしょ……何よこれ」

( ^ω^)「まあまあ、そんな事どうでもいいお! ちょうど根元にペンも落ちてたし、何か書こうお!」

ξ゚⊿゚)ξ「え? 短冊って事は誰かの願いが書いてあるんじゃないの? 上書きする気?」

( ^ω^)「いやいやいいんだお! ほら、裏面を見るお―――」



652 :(´・ω・`)は天の川を渡るようです 9/9:2009/07/08(水) 00:09:17.31 ID:mso+0tfg0








        【これは短冊です。あなたのお好きな願いを自由に書き込んでください】











( <●><●>)ブーン系小説総合案内所のようです
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