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ジョルジュ

Author:ジョルジュ
心母少女最終話更新
完結おめでとうございます。
08/03

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( ・∀・)モララーは本格的に駄目なようです 二話 

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:33:43.48 ID:aUalDh0W0

 僕らは互いの連絡先を交換して、別れた。
 きっと計画は順調だ。一つの失敗もない。

「……はあ」

 なら、この憂鬱な気持ちはなんだ。
 それも恐らく、辞書には載っていないのだろう。



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:34:14.28 ID:aUalDh0W0

二話 あさのはじまり




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:34:45.88 ID:aUalDh0W0

 彼女は、少しだけ僕に似ている。
 まず僕が抱いた感想はそれだった。
 それなら、彼女に小細工は通用しないし、必要すらない。次に考えたのがそれだ。
 つまり、彼女をこちらに引き込めたのは、必然。
 失敗などする筈もない。

( ・∀・)「問題は次か……」

 正直な所、僕の頭の中の計画設計はここで終わっている。
 次を引き入れた後の事は、何も考えていない。
 次を引き入れさえできれば、後は何とかなるだろうと、楽観しているのだ。



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:35:16.83 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「取り敢えず、問題は次だよね……」

 同じ言葉を繰り返す。
 そうだ。今は次を引き入れる事だけ考えよう。
 それさえ上手く行けば、きっと何かが変わる。なるようになる。

( ・∀・)「本当に”策士”が聞いて呆れるよ」



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:35:46.98 ID:aUalDh0W0

 次の標的も、やっている事は僕と良く似ている。
 退屈を嫌い、日常を嫌い、自らを嫌う。
 ただ、「彼女」のやり方は僕とは決定的に違う。
 僕はどちらかと言えば、他者へと変化を望むやり方だ。
 自らの環境を口先で弄繰り回し、自分本位の物へと変える。ある意味、平和的で、内向的なやり方だ。
 「策士」の異名もそこに由来する。
 彼女はというと、その圧倒的な「力」をもって何もかもを変化の渦に引き摺り込む。

 僕が憧れて止まない、苦手とする存在だった。



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:36:17.19 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「……っと。準備完了」

 そろそろ陽が昇る。
 僕は夜に備えて、眠る事にした。



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:36:50.27 ID:aUalDh0W0

 僕がまだ中学生の頃、両親の死をきっかけにアルバイトを始めた。
 それから何の因果か、夜の世界へと足を踏み入れ、様々な事を学んだ。
 その中でも、取り分け印象深いものがある。

「”殺し屋”には気ィ付けろよ。”策士”」

 その会話は唐突に始まった。



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:37:32.60 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「……怖いね。ドラッグ」

(;゚∀゚)「待て待て、これはお花畑での話じゃねぇぞ」

 当時、僕が働いていたバーに良く来ていた客――自称「ジョルジュ」は言った。
 ここでは名前など記号でしかない。
 彼は確かヤクザの下っ端か何かで、とにかく良く喋る男だった。
 この世界で学んだ事だが、夜だろうが何だろうが、ここは平和な国、日本だという事。
 ヤクザだろうが何だろうが「法と秩序」なるものはある。
 何もしなければ、何もされない。
その暗黙を破る事は、つまり「何かをした」という事に他ならない。
 触らぬ神に祟りなし、だ。



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:38:02.87 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「僕は恨みを買うような真似はしてないよ」

( ゚∀゚)「”策士”が良くもまぁ、抜け抜けと……。それに、」

 「”殺し屋”にそんな常識は通用しねぇよ」、とジョルジュは楽しそうに言った。
 自然とこちらの頬も緩む。
 「殺し屋」。
 実に恐ろしく、おぞましく、滑稽な響きだ。
 人を殺す事を生業とするのは、その実なかなかに確実だ。
 いつの世も、どこの世も、私怨というのは後を絶たない。
 リスクに対するリターンも、結構なものだろう。



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:38:55.57 ID:aUalDh0W0

 しかし、それで名を売ってしまうのは余りにも愚かだ。
 いずれはその異名だけで、自らの居場所を埋め尽くしてしまうだろう。
 僕の場合はこの世界そのものに特に未練がないので大した問題ではないが、
「殺し屋」に取っては罪を犯してまで手に入れた居場所だ。
 そうも行かないだろう。
 すると、ジョルジュはニヤリと笑い、「いや、それがな」と話を切り出した。

( ゚∀゚)「だーれもそいつの姿を見てねぇんだ」

( ・∀・)「……”殺し屋”の異名は伊達じゃない、って事か」



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:39:26.39 ID:aUalDh0W0

 まるで映画か何かの様な話だ。
 僕は俄然興味を惹かれ、続きを促した。
 ジョルジュは「ようやく”策士”様が食い付きやがった」とからかって、夜が明けるまで話が終わる事はなかった。
 そして――。
 その噂は、ある日を境に止んだ。
 ジョルジュは死んだ。
 その死は「殺し屋」とは何ら関係のない、「組の金に手を付けた」とか何とか、そんな下らないものだったのだけれど。



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:40:23.23 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「”殺し屋”……」

 最期まで「殺し屋」の正体が暴かれる事はなかった。
 暴かれたのなら、僕に情報が入ってこない事など有り得ない。
 僕は「人知れず死んだのだろう」と結論を出し、時は現在まで加速し――再び「殺し屋」は現れた。
 そもそも死んでいる筈などなかったのだ。
 「殺し屋」として名を轟かせ、尚且つその正体は不明。
 正に映画の中の登場人物のような、掴み所のない、それでいて絶対的な存在。
 僕はその正体を探り、そして知った。



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:40:53.37 ID:aUalDh0W0

( ・∀・)「一応連絡しとくか……」

 「いつもの時間に、いつもの公園で」。
 短く文章を打ち、昨日――正確には今日「友達」となった彼女にメールを送る。
 時計はまもなく今日が終わる事を指し示していた。

( ・∀・)「”殺し屋”バーサス、”策士”か……負ける気しかしないんだけど」

 呟いて、僕は家を出た。
 四月とは言え、春はまだだな、と思った。



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/11(金) 23:42:33.47 ID:aUalDh0W0

二話 あさのはじまり おわり





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