長岡速報

 
 
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ジョルジュ

Author:ジョルジュ
心母少女最終話更新
完結おめでとうございます。
08/03

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('A`)の宝石箱のようです 

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/02(土) 23:26:23.23 ID:1ZfT4d1o0
木でできたショウケースにはガラスでフタがされていて
その中には色とりどりの飴玉、カラメル、麩菓子、等等
さまざまなお菓子が「僕を食べて!」と言わんばかりに
存在を主張しあっている。

壁には銀玉鉄砲や火薬鉄砲、おもちゃの刀などが掛けられていて、
訪れる男の子たちの小さな冒険心をくすぐっている。

一方の棚にはプラスチックでできた指輪やネックレスが
女の子たちの乙女心を刺激している。

そして何より

       从*^ー^从ニッコリ

渡辺のおばさんの陽だまりのような笑顔があった。

そのお店は僕にとって宝石箱のように輝いていた――





4 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:27:57.22 ID:1ZfT4d1o0



    ~('A`)の宝石箱のようです~





5 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:29:45.81 ID:1ZfT4d1o0
('A`)「どれにしようかな…」

僕の視線はさっきからショウケースの上を行ったり来たりしている。
色とりどりのお菓子たちが主張するので目移りしてしまっていた。
手の中には握り締めた50円玉、カーチャンに無理を言ってもらってきたお小遣いだ。

从*^ー^从ニコニコ

渡辺のおばさんは僕がいくら迷っていても、いつも笑顔で見守ってくれている。
ほかの大人たちはちょっと時間がかかると
「早くしなさい!」とかイライラした顔を向けてきたりするけど、
おばさんはいつもニコニコ、見守ってくれる。

そんなおばさんが大好きだった。

('A`)「あれが良いんだけど…ちょっとたりないや」

僕が一番欲しいのはパックのスモモ、あの甘酸っぱい味は僕を虜にしていた。
でもスモモは60円、ここに並んでいるお菓子たちの中では高いほうだ。

('A`)「こ…コレ…ちょうだい…」

結局僕は棒のついた飴玉を選んだ。
ほかの飴玉よりも高くて、スモモよりもちょっと安い。
これなら「お小遣いをちょうだい!」とわがままを言って困らせた
カーチャンにも胸を張って報告できる。

そしてカーチャンに褒めてもらうんだ。



6 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:31:11.17 ID:1ZfT4d1o0
(*'A`)「ありがと…」

早くカーチャンに報告したくって僕は駆け出した。

コケッ  Σ(っ_ _)っ ⌒ φ

…痛い、なぜだか僕は地面を見ている。
転んじゃったみたいだ、視線を上げると
買ったばかりの飴玉が砂まみれになっていた。

(;A;)ウアァァァァン

せっかく買った飴玉が、これじゃカーチャンに褒めてもらえない。
そう思うと悲しくなって涙があふれてきた。

从;'ー'从つφ

おばさんが新し飴を差し出してくれるけど、それじゃダメなんだ。
ちゃんとお小遣いで買った飴玉で褒めてもらいたかったのに――

(;A;)ウアァァァァン

どんどん涙はあふれてくる。
何で泣いているのかわからなくなった頃、
その女の子はやってきた。

川;゚ -゚)そ



7 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:32:56.78 ID:1ZfT4d1o0
長い黒髪をした女の子、泣いている僕を見て驚いているみたいだ。
それでも僕は泣き止まない。

少しの間困ったように見ていた女の子が、まっすぐ僕に近づいてきて

ギャァァ!(;A(⊂三(゚- ゚#川 ドカァッ!

いきなり僕を殴りつけた。
痛い、いったい何なんだ?

イダイィィ!(;A(#>⊂川#゚ -゚) ズルズル

驚き、いっそう激しく泣き出す僕を黙って引きずって歩く女の子。
…どれだけ歩いたのか、景色は街中から川原へとうつっていた。

川#゚ -゚)「まったく、あんなところで泣いてるんじゃない!
     お店に入れないじゃないか!」

女の子は至極もっともな説教を始めた。

(;A;)「ヒグ、だって…」

僕は涙で引きつりながら少しずつ説明する。
「一人で買い物はまだムリよ」というカーチャンに
わがままを言ってお小遣いをもらったこと、
初めてのお小遣いで買った飴玉を見せて褒めて貰いたかったこと。
でも、その飴玉を転んで落としてしまったこと。



8 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:35:07.95 ID:1ZfT4d1o0
(;A;)「エグ、うぅぅ…」

説明しているうちにまた悲しくなってしまった。

川 ゚ ー゚)「だったら落とした飴を洗って持って帰ったら良いじゃないか」

でもそれじゃ買って帰ったことにならないんじゃ…

反論する僕をさえぎって女の子は続けた。

川 ゚ ー゚)「ちょっとくらい、嘘ついたって良いじゃないか
     泣いて帰ったほうがお母さんが心配するだろう?」

Σ(;A;)

気がつかなかった、泣いて帰ったらカーチャンがどんな顔をするか
幼い頭には難しいことはわからなかったけど、
カーチャンが悲しむことはしたくなかった。

川 ゚ ー゚)「わかったなら泣き止むんだ、お前が落とした飴は」

川 ゚ ー゚)つφ「これか?」

女の子の手には砂まみれになった飴が握られていた。



10 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:36:58.66 ID:1ZfT4d1o0
(ぅA;)「…うん、でもどうして?」

川 ゚ ー゚)「お前が泣いてたとこに落ちてたから、もしかしてと思ってな」

女の子が拾ってきてくれたみたいだ、どうやら乱暴なだけじゃないみたいだ。

(*'A`)「ありがと…」

川 ゚ ー゚)「やっと泣き止んだな、もう暗くなるから帰ろう」

気づけば空は茜色から夜の色に移り変わろうとしている。

(*'A`)「うん…」

川 ゚ ー゚)「そういえば名前を聞いていなかったな、私はクーvip小1年だ」

(*'A`)「ボク、ドクオ、vip幼稚園年長」

川 ゚ ー゚)「じゃあ来年からおんなじ学校だな、よろしくドクオ」

川 ゚ ー゚)つ

微笑んで手を差し出すクー。

(*'A`)「よろしく、クーおねえちゃん」

川 ゚ ー゚)つ⊂('∀`*)

僕らは握手を交わした、思えばこれが僕の初恋の始まりだったのだろう。



11 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:38:57.52 ID:1ZfT4d1o0
それから僕らは一緒に遊ぶようになった。
とは言っても、1つ年上のクーが主導権を握っていて
周りから見れば「お姉ちゃんと弟」に見えていたかもしれない。

小学校に上がって少しした頃、クーと二人で渡辺のおばさんのお店に行った。

川 ゚ ー゚)つ⊂('∀`*)

お店に入ってしばらくは二人で手をつないでいたのだが…

川 ゚ ー゚)「これおいしそうだな!」

('∀`*)「ボクも好き!」

川 ゚ ー゚)「お!ドクオ、くじ引きやろう!」

('A`)「えぇ、やだよ」

そのくじ引きの景品は1等が女の子向けの宝石セット、
2等が僕の拳ほどもある大きさのスーパーボール。
3等は誰かが当てたのか、空欄になっていた。
4等以下はちっぽけなおもちゃというものだった。

あの件以来、定期的にお小遣いをもらうようにはなっていたが、
その額は微々たる物で、油断すればあっという間に無くなってしまうのだった。



12 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:41:02.27 ID:1ZfT4d1o0
('A`)「それに、当たらないよ」

川 ゚ -゚)「そんなのやってみないとわからないじゃないか!」

从;'ー'从 …

声は小さいのでおばさんには聞こえていないだろうけど、
不穏な気配を察したのか、心配そうにこちらを見ている。

('A`;)「当たらないようになってるんだよ…」

決して裕福とはいえない家庭に育っているせいか、
感覚がネガティブになっている。
それに、大事なお小遣いをくじ引きなんかに
使いたくなかったのでこう言った。

川#゚ -゚)「なんだって!おばさんがズルしてるとでも言うのか!」

('A`;)「いや、そうじゃなくて…」

川#゚ -゚)「見損なったぞ、ドクオ!お前なんか知るもんか!」

川#゚ -゚)三つ)A`;) グシャァァ!

そう言うや否や拳が一閃、そのままクーはお店を出て行ってしまった。



14 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:43:10.46 ID:1ZfT4d1o0
从;'д'从 !

渡辺のおばさんは驚いた顔をしてこちらを見ている。
ここで泣き出せば、今の話をしなくちゃいけない。
おばさんにこんな話をしたくなかった僕は、黙って店を出た――

('A(#)「なんだよぅ、クーねぇちゃんのバカ…」

痛む頬をなでながら歩いていると、
初めてクーに連れてこられた川原に来ていた。
しばらくぼんやり川面を眺めていたけれど、時折風が吹くだけで
何も起こらなかった。

('A(#)「帰ろ…」

川原から土手に上がろうと振り仰いだそこに――

川 - -)

クーがいた。
彼女はこちらに気づいていないようだった。
僕もさすがに気まずかったので、声を掛けないでやり過ごそうと思い
クーから見えないところまで行こうと歩き出す。

('A(#)「あ…」

足元の石を思わず蹴飛ばしてしまう、石ははじけて思わぬ高い音を出した。



15 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:45:09.44 ID:1ZfT4d1o0
川;゚ -゚)そ

その音に気づいたのか、クーは顔を上げる。
見つかってしまった、どうやってやり過ごそう。
そんなことを考えているうちに彼女は目の前までやってきていた。

('A(#)「あ、あの…」

咄嗟のことに声が出ない僕に向かって

川 - -)つ□「さっきはすまなかった、これ!」

と、手に持っていた包みを押し付けてさっさと帰っていくクー。

('A(#)「待って!クーねぇちゃん!」

引き止める声も無視して走り去るクー。
少し呆然として手の中の包みに気がついた。

('A(#)「なんだろ、これ?」ガサガサ

包みを開けてみると、包帯、絆創膏、消毒液、虫歯の薬など
医療品がゴチャゴチャと入っている。

('A(#)「これ、治してくれようとしたのかな…?」

子供ながらにもその薬品類が的外れなことがわかる。
でも、クーの素直になれない優しさが、頬の痛みを癒してくれた気がした。



16 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:47:15.40 ID:1ZfT4d1o0
それからも僕とクーは一緒に遊んだ。
もちろん、ほかにも友達はいたし、特に同学年のブーンとツンとは
渡辺のおばさんのお店のつながりで一緒に遊ぶことが多かったが
クーとの関係は僕にとって特別なものになっていた。

その日も僕とクーは二人で川原にいた。
僕は小学4年、クーは小学5年になっていた。

クーはなにやら大事そうにブローチを眺めている。
渡辺のおばさんの店で最近買ったもので彼女のお気に入りだった。

クーがブローチばかり眺めているので退屈になった僕は

('A`)「クーちゃん、退屈だよ。
   そんなのばっかり眺めてないで遊ぼうよ」

この一言がクーの怒りに触れてしまった。

川#゚ -゚)「そんなのとはなんだ、やっと買った宝物だぞ!」

正直僕には理解できなかった。
だって、お菓子やジュースならお腹がいっぱいになるし
おもちゃの鉄砲や刀なら戦争ごっこやチャンバラで遊べるのに、
女の子の宝石は眺めるだけだ。

(#'A`)「なんだよ!そんなの眺めてるだけじゃないか!
    せっかく遊びに来てるのに、座ってるだけなんて
    つまらない!!」



17 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:49:18.25 ID:1ZfT4d1o0
川;゚ -゚)「そんなことはない!きらきら光ってキレイじゃないか!」

クーは戸惑っている、思えば僕がはっきりと
反論するのは初めてだったかも知れない。

(#'A`)「だったら一人で眺めていれば良いじゃないか!
    いいよ!もう、ブーンと遊びに行くから!」

振り返りその場を離れようとする僕、
クーが引きとめようと僕の手をつかむ。

川;゚ -゚)「ま、待てドk(#'A`)「離してよ!」

振り払った次の瞬間――

…ポチャン

小さな波紋が川面に浮かび、流れにかき消されていく。

川;゚ -゚)「あ!」

(#'A`)「え?」

クーの手からブローチが消えていた。



19 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:51:10.59 ID:1ZfT4d1o0
川 ;-;)「うぅぅぅ、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

初めて見るクーの泣いている姿、まずい、泣かせてしまった。

('A`;)「ごごごごめん、クー、泣かないで」

クーはしゃがみこんで泣いている。

('A`;)「代わりに僕の宝物あげるから!
    銀玉鉄砲もおもちゃの刀も、そうだ!
    ブーンと勝負してもらったバッジもあげるから…」

クーの泣き声は治まるどころか大きくなる、僕の宝物が気に入らなかったらしい。

('A`;)「…よし!」

靴を脱いでズボンを捲り上げる。

('A`;)「冷たいな…」

川の中に1歩2歩と入っていく、幸いそれほどの深さはなく
僕のひざの辺りまでで川面はしぶきを上げている。

そんな僕に気づいたのかクーが声を上げる。

川 ;-;)「危ないよ!ドクオ!もういいから戻ってきて!」

('A`;)「大丈夫、もうちょっとだから…」



20 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:53:04.08 ID:1ZfT4d1o0
('A`;)「あった!」

川底にキラリと光るものがある、きっとあれがクーのブローチだ。
ゆっくり近づいて手を伸ばすが、あと一歩のところで届かない。

('A`;)「もうちょっと…うわっ!」

突然沈む足元、ブローチを探すのに夢中で深みにはまってしまったらしい。
右手で先ほどまで見ていた光るものを掴むが、足は依然として底に届かない。

(゚A゚)ガボガボガボ

川 ;-;)「…!……!!」

岸でクーが何か叫んでいる、あぁもう聞こえない、
聞こえるのは水の音だけ――

 *  *  *  *

川 ;-;)「助けて!だれか助けて!!」
 _、_  
(; ,_ノ` )「どうした、嬢ちゃん…って、なにをしてるんだ!!」

ザバザバン!

(-A-) ザバァァー
 _、_
(; ,_ノ` )「いかん、救急車を…」
 _、_  
(; ,_ノ` )】「もしもし、救急です。場所は………」



22 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:55:09.12 ID:1ZfT4d1o0
 *  *  *  *

('A`)「あれ…?」

目が覚めるとベッドの上だった。

('A`)「ここ…どこ…?」
 _、_  
( ,_ノ` )「よう、目が覚めたか」

J(;'ー`)し「ドクオ!大丈夫?」

知らないおじさんとカーチャンがベッドサイドに立っている。

('A`;)「カーチャン、なんで?え?おじさんは?」

J(#'ー`)し「なんでじゃない!このバカ!無茶して皆さんにご迷惑掛けて!」
 _、_
(; ,_ノ` )「カーチャンさん、落ち着いて。ここ病院だから」

J(#;ー;)し「でも無事で良かった、良かったぁぁ…」

泣き出すカーチャン、知らないおじさんが成り行きを説明してくれる。

('A`;)「…ごめんなさい」



23 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:57:07.83 ID:1ZfT4d1o0
 _、_
( ,_ノ` )「まぁ、助かったんだから良しとするか
     …なんで無茶したのかだけ教えてくれるかい?」

('A`;)「それは…」

僕はクーのブローチを川に落としたことを説明した。

('A`;)「それで、クーちゃんを泣き止ませるにはブローチが無いとと思って…」
 _、_
( ,_ノ` )「それで川に入ったのか?」

('A`;) コクリ
 _、_
( ,_ノ` )「まったく、無茶したもんだ、だが…」
 _、_
( ,_ノ` )+「その心意気は嫌いじゃないぜ、頑張ったな」

J(#'ー`)し「社長!焚きつかないで下さい!」

J(;ー;)し「この子がまた無茶でもしたら…うぅぅ」
 _、_
(; ,_ノ` )「す、すまない、つい…」

Σ('A`;)「社長!?おじさん社長さんなの!?」
 _、_
( ,_ノ` )「あぁ、自己紹介がまだだったな。
     俺は渋沢、カーチャンさんの勤める会社の社長をやっている。
     ドクオ君、これからもよろしく頼む」



24 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/02(土) 23:59:09.67 ID:1ZfT4d1o0
('A`;)「は、はい…」

Σ('A`;)「あ!ブローチ!それからクーちゃんは!?」

そうだ、あの時光る何かを掴んだけど正体を確認してなかった。
それに、クーを泣かせたままだった。
 _、_
( ,_ノ` )「あの女の子ならさっきまでいたんだけどな。
     さすがに遅いんでご両親と帰っていったぞ。
     さて、ブローチだが……」
 _、_
( ,_ノ` )っ「君の右手の中にあるものはなんだ?」

('A`;)「え?あ…」

なんてことだ、あまりの展開に動揺して気付かなかった。
握ったままの右手には――







鈍く光ったブローチが握られていた。



25 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:01:11.34 ID:tGKLqWfk0
 _、_
( ,_ノ` )「まったく、たいしたもんだよ、
    診察中も右手だけは開けやしないんだから」

('A`;)「でも、これ…」

川の流れにさらされたせいか、メッキは所々はがれ
中央にある青い宝石にも大きなキズがついていた。
 _、_
( ,_ノ` )「…まぁ、勲章みたいなもんだと思うんだな
     きっとあの子もわかってくれるさ」
 _、_
( ,_ノ` )「さて、あんまり長居してもな。
     それじゃ、ドク坊お大事にな」

('A`;)「はい、ありがとうございました(ドク坊って…)」

J(;'ー`)し「本当にご迷惑おかけしました」

男同士の話が終わったかとカーチャンが声を掛ける。
 _、_
( ,_ノ` )「なぁに、困ったときはお互い様だよ。それじゃ」

渋沢のおじさんは帰っていった。

J(;'ー`)し「まったく、この子は心配掛けて…」



26 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:03:22.60 ID:tGKLqWfk0
(;A;)「ごめんよ、カーチャン」

母と二人きりになったことで緊張が解けたのか涙が出てきた。

J('ー`)し「もう良いのよ、今日はゆっくり眠りなさい、
     あとでクーちゃんにもちゃんと謝るのよ?」

(ぅA;)「うん、わがったよ、カーチャン…」

J(*'ー`)し「ふふ、社長さんはドクオが気に入ったみたいね。
      あの人は気に入った人をあだ名で呼ぶのよ、勝手にね」

(-A-)「ふぅん…そ、なん…d」

僕の手を握るカーチャンのぬくもり、
頭を撫でてくれる手の優しさに包まれて、
僕は眠りに落ちていった。



27 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:05:30.10 ID:tGKLqWfk0

僕は大事をとって搬送された日だけ病院に泊まって翌日には帰宅した。
木造2階建てのボロアパート、カーチャンと二人暮し、
トーチャンがは物心つく頃にはいなかった。

それが僕にとっては当然だったし、
カーチャンも優しかったので気にも留めなかった。

でも、その日だけは違ったんだ。

ブーーーーー

玄関の呼び出しブザーが鳴る。

J('ー`)し「はいはい、どちら様で…」

玄関を開けると一目でわかる上等な仕立ての服を着た女性と

川 ゚ -゚)「…」

クーが立っていた。

('、`*川 「欝田さんのお宅はこちらでよろしかったでしょうか」

J(;'ー`)し「はい、どちら様で…?」



28 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:07:02.37 ID:tGKLqWfk0
('、`*川 「須名と申します、この度はうちの娘がご迷惑をおかけしまして」

J(;'ー`)し「わざわざお越し頂いて…
      ここではなんですからどうぞお上がりください」

('、`*川 「いえ、こちらで結構です。この度は本当にご迷惑を
      こちらはお見舞いです、つまらないものですがお召し上がりください」

そういって包みを差し出す。

('、`*川 「それから、ちょっと…」

言葉をとめて僕の方をちらりと見る。

J(;'ー`)し「…ドクオ、外で遊んでらっしゃい」

('、`*川 「クー、お相手してあげなさい」

二人の緊迫した空気が伝わってくる。
窒息しそうなほど緊張していた僕は、その言葉に飛びついた。

('A`;)「クーちゃん、行こう」

川 ゚ -゚)「…うん」



29 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:09:06.48 ID:tGKLqWfk0
辺りはすでに薄暗くなっていたのでアパートの前に二人で腰掛ける。

('A`;)「この前は、ゴメン」

川 ゚ -゚)「うん、私のほうこそゴメン」

言葉が続かない。
あの時拾ったブローチを返さなきゃとも思ったが
ブローチは部屋の中に置いてきてしまった。
あの空気の中に取りに行く勇気はなかった。

('∀`;)「びっくりしたでしょ?うち貧乏だから…」

川 - -)「ううん、そんなことない…」

嘘だ、彼女の表情が物語っている。
きっと彼女にとって、こんな暮らしはお話の中だけの物なのだろう。

('A`)「…」

川 - -)「…」

胸の中に惨めさがにじみ出てくる。
何か言わなきゃ、でも、何かいえば自虐的な言葉ばかりが出てきそうで怖かった。

思い沈黙が二人を支配する、どれだけそうしていただろう。
クーの母親が帰ってきた。



30 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:11:08.43 ID:tGKLqWfk0
('、`*川 「クー、帰るわよ」

川 - -)「…はい」

('A`)「クーちゃん…また遊べるよね…?」

Σ川 - -)

川;゚ -゚)「ドク('、`#川 「クー、早くなさい!!」

川 - -)「…はい」

クーは母親と一緒に待たせていたクルマに乗って帰って行った。
彼女が最後に何を言いかけたのか気になったが、

('A`)(…今度会ったときで良いか)

…そう思うことにした。
部屋に帰るとカーチャンが泣いていた。

Σ('A`;)「カーチャン!どうしたの!?どこか痛いの!?」



31 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:13:12.77 ID:tGKLqWfk0
駆け寄るとカーチャンは僕を抱きしめ

J(;ー;)し「ゴメンね、ドクオ、ゴメン…」

そのとき確信した、もうクーと遊ぶことはできないんだなって。

('A`)(…ブローチ、返せなかったな)



なんだか、それだけが心残りな気がした。





33 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:15:11.39 ID:tGKLqWfk0
それからクーと遊ぶことは無くなった。
僕もクーと会ってどんな顔をしたら良いのかわからなかったし、
彼女のほうも明らかに僕を避けるようだった。

その証拠に、渡辺のおばさんの店にも彼女は姿を見せなくなっていた。

――時はながれ、俺たちは中学に進学した。

( ^ω^)「ドクオー!早く来るおー!」

('A`)「急いだって店は無くならないぞ」

( ^ω^)「それでも急ぐんだおー!おばさんに会うのは久しぶりだお!」

中学でもブーンと同じクラスになっていた。
昔からの気心が知れたヤツと一緒というのは心強かった。

( ^ω^)「おばちゃーん!お久しぶりだお!」

('A`)「おひさしぶりッス」

从^ー^从「あらあらまぁまぁ、懐かしい顔が来てくれたこと」

渡辺のおばさんは変わらぬ笑顔で迎えてくれた。
やっぱりここは居心地が良い。



34 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:17:01.08 ID:tGKLqWfk0

从^ー^从「今日は千客万来ね、さっきまでツンちゃんが来てたのよ?」

( ´ω`)「おー、ツンが来てたのかおー」

从^ー^从「あらあら、元気印のブーン君がそんな顔して」

( ´ω`)「おー、だって最近ツンは冷たいんだおー」

('A`;)「お前なぁ…」

おばさんはちょっと呆れたような笑顔でブーンを見つめている。

( ´ω`)「だってこの間だって…」

ブーンは最近のツンについて愚痴り始める。

('A`;)(こいつの鈍さは天下一品だな、そこがいい所でもあるんだが)

おばさんも俺と同様の考えのようだが、笑顔で愚痴を聞いている。
一通り愚痴り終えて満足したのか、俺に話を振ってくる。

( ^ω^)「おっ、僕ばかり話しちゃ悪いお!ドクオも何か話すお!」

('A`;)「この流れでどう会話に入れって?」



35 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:19:08.23 ID:tGKLqWfk0
(;^ω^)「おっ、だから悪かったお、そうだ!クーちゃんキレイになってたお!
      ドクオ仲良かったお!!」

…こいつは鈍いだけじゃなくて空気の読めなさも天下一品だ。

(#'A`)「テメェ!その名前を俺の前で呼ぶんじゃねぇ!!」

(;^ω^)「おっおっ、どうしたお?なんで怒るんだお?ケンカでもしたかお?」

(#'A`)「このやろう!」

ブーンの胸倉を掴んで立ち上がらせる、このニヤケ面をどうしてくれようか…
怒りを胸にたぎらせていると静かにおばちゃんが立ち上がる。

从'ー'从「ドクオ君…」

その目はどこまでも静かで
「全部わかってるからね?」と言っているかのようだった。

(#'A`)「…フン!」

胸倉から手を離す、ブーンはまだ目を白黒させている。

(#'A`)「…悪かったな、おばちゃんすいませんでした」

頭を下げて店をでる、今ブーンといると怒りが沸騰しそうだった。



37 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:21:02.31 ID:tGKLqWfk0
('A`;)(クーか…)

最後に会ってから4年の月日が流れていた。
彼女が避けていたことと、中学に進級したことによって
自然とその姿を見ることは無かったが、
先日ついに会ってしまったのだ。

入学式当日、俺、ブーン、ツンは連れ立って校舎の中を探検していた。

(*^ω^)「おっ、こっちは何があるのかお?」

('A`;)「これから嫌ってほど歩くんだろうに」

ξ;゚⊿゚)ξ「まったく同感だわ」

文句を言いながらもついてくるツン、
これほどわかりやすい反応なのに気付かないブーンは
やっぱりどこか神経が足りないのだろうか?

('A`;)(ま、俺も似たようなもんか…)

なんだかんだ言ってブーンに引っ張られるのは
コイツには変な魅力があるからだ。

('A`;)(ウホッ、はゴメンだけどな…)



38 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:23:23.77 ID:tGKLqWfk0
⊂ニニニ(*^ω^)ニ⊃「ブーーーーーン!!」

考え事をしているといつの間にかブーンは走り出していた。

ξ#゚⊿゚)ξ「あのバカタレが!」('A`#)

案の定曲がり角の向こうから現れた人物とぶつかりそうになっている。

川 )「おっと!」

(;^ω^)「おおっ、ごめんだお、大丈夫かお?」

川#゚ -゚)「まったく危ないな!ん、新入生か?」

(;^ω^)「お?もしかして…クーさんかお?」

川 ゚ -゚)「ん?もしかしてブーン君か?」

(*^ω^)「おっおっ、そうですお!ツンとドクオも一緒ですお!」

川;゚ -゚)「あぁ、そうか…それじゃ」

(*^ω^)「お?もう行っちゃうのかお?久しぶりなんだから…」

川;゚ -゚)「すまんな、ちょっと急ぐんだ」

(;^ω^)ノシ「急ぐのならしょうがないお、また今度だお!」



39 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:25:14.30 ID:tGKLqWfk0
挨拶もそこそこに逃げるように立ち去るクー。

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと!今のクーさん?キレイになってたわね~」

ブーンに追いついたツンがつぶやく。

(;^ω^)「なんか急いでいたみたいだお、でも今度会う約束したお」

ξ;゚⊿゚)ξ「…ドクオ、どうしたの?」

俺はブーンから数歩離れたところに立っていた。
クーが急いでいたのは用事が会ったからじゃない。

( A )(俺を、避けてるんだ…)

ちょっと考えればわかることじゃないか、同じ小学校だったんだから
中学に行けばまた会うんじゃないかって。

( A )(4年か…4年も経ったのに)

まだ避けられている、その事実が俺の心を締め付けていた。



42 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:27:06.83 ID:tGKLqWfk0
クーは美しくなっていた。
長い黒髪はそのままに、すらりと伸びた手足、そして大人びた顔。
幼い頃の面影は残しつつも、彼女は確実に大人になりつつあった。

('A`;)(いまさら会ったってどうしようもないけどな)

いつの間にか川原に来ていた。
クーと最後に遊んだこの場所は俺の特別な場所になっていた。

('A`;)(考え事してるとここに来ちまうんだよな)

川面はあの頃と変わらず流れていて、夕日を浴びて黄金色に光っている。
_、_
( ,_ノ` )y━・~「おう、どうしたドク坊!」

('A`)「渋沢のおじさん…」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「深刻そうな顔をしてるから、また飛び込むのかとおもったぜ」

('A`;)「勘弁してください」

あの一件以来、渋沢さんは色々と相談に乗ってくれる。
父親のいない俺にとっては頼りになる存在だ。
_、_
( ,_ノ` )y━・~「何があったんだ?話せるなら話してみな」

('A`)「いや、まだ頭の整理ができなくて…」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「そうか…そうかそうか」



43 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:29:05.04 ID:tGKLqWfk0
ニヤニヤしながら顔を寄せてくる。

('A`;)「な、なんすか!?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「そうか~、女か~、ドク坊も大人になったもんだな~」

(#'A`)「何を勝手に!?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「まぁまぁ、そう怒るな。俺は嬉しくってよ、でもな…」

紫煙を吐き出し、真顔になってこう続ける。
_、_
( ,_ノ` )y━・~「悩むだけ悩んで、答えが出なかったら、
        誰かに相談するのも良いんじゃないか?」

('A`;)「相談?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「あぁ、そうだ。悩むのは若さの特権だが
        一人でできることはたかが知れてる。
        そんな時は誰かに頼れば良い」

再び紫煙を吐き出す
_、_
( ,_ノ` )y━・~「ま、誰でもかまわねぇが、それが俺だったら嬉しいね」

最後にニヤリと笑って「じゃあな、あんまり遅くなるなよ」と手を振って帰っていった。
辺りはすっかり夜の景色となっていた。



45 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:31:05.07 ID:tGKLqWfk0
 *  *  *  *

突然、そのニュースは舞い込んできた

ξ;゚⊿゚)ξ「クーさんが転校するんだって!」

(;^ω^)「ツン!それホントかお!?」

ξ;゚⊿゚)ξ「本当みたいよ、なんかお父さんの仕事の都合で海外に行くんだって」

(;^ω^)「海外かおー、ずいぶん急だおー」

俺は黙って二人の会話を聞いていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっとドクオ、聞いてるの!?」

('A`)「んぁ、聞いてるよ…」

ξ#゚⊿゚)ξ「なによ!クーさんがいなくなっちゃってもいいの!?」

(;^ω^)「……」

ブーンは黙って成り行きを見守っている。
先日のおばさんの店での俺の怒り具合を知っているから
内心はハラハラしているのだろう。



47 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:33:03.57 ID:tGKLqWfk0
('A`)「『いいの?』って言われても…なぁ?」

(;^ω^)「おっ?なんで僕に聞くんだお?」

コイツに頼った俺がバカだった。

('A`)「じゃあ、聞くけどよツン。俺が『イヤだ』っつったら何か変わんのか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「それは…、何も変わらないかもしれないけど、でも!」

('A`)「言っても変わんねぇんだろ?だったら言うだけムダだ、この話は終わり!」

ξ;゚⊿゚)ξ「あんなに仲良かったじゃない!『お元気で』の一言も言えないの?」

(;^ω^)「おー、ツンもう止めるお」

ξ#゚⊿゚)ξ「止めないわよ!なによ!何があったか知らないけどウジウジしちゃってさ!
       バカじゃないの!?」

(#'A`)「ウルセェなぁ、ブーン、俺カゼで早退な」

言い残して教室を出る。



49 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:35:02.84 ID:tGKLqWfk0
ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっと!話はまだ終わってないわよ!どこ行くのよ!」

(;^ω^)「ツン、ホントに止めるお、ドクオにだって言えない事くらいあるお」

ξ#゚⊿゚)ξ「言えない事って何よ!アンタ何か知ってんの!?」

標的はブーンに変わったようだ、この隙に逃げ出すことにしよう。
俺は学校を抜け出して歩き出す、誰かに今の思いを聞いて欲しかった。
自然、俺の足は渡辺のおばさんの店に向かっている。

あぁ、あの笑顔で俺の話を聞いてもらおう、
そうすればこの心の澱も少しは消えるだろう。

渡辺のおばさんの店はいつもどおり開いていた。

('A`)「こんちわ…」

学校をサボったのは初めてのことだったので、
いつものような挨拶をするのはなんだか気が引けた。

从'ー'从「おや?今は学校じゃないのかい?」

おばさんは少し怪訝そうな顔をしている。

('A`)「うん、ちょっと色々あってさ…」

从^ー^从「…そうかい」



50 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:37:04.44 ID:tGKLqWfk0
おばさんはいつもの笑顔に戻っていた、あまり驚かないのは
こうして授業を抜け出して悩みを打ち明けに来るヤツが
ほかにもいるのからなのかも知れない。

('A`)「…」

从^ー^从「…」

俺もおばさんも何も言わない、俺の頭の中ではいろんな考えが渦を巻いている。
きっとおばさんはそういったこともお見通しなんだろう。

('A`)「実は、さ…クーが転校するんだって」

从^ー^从 コックリ

おばさんは微笑みながら頷き、続きを促す。
しかし、決して急かすようなことはしなかった。

俺は胸の中に溜まった思いを吐き出していた。
クーと仲良くなったときのこと、ブローチと溺れかけたこと、
クーの母親が訪ねてきたときのこと。
ずっとクーのことを避けながらも気にしていたこと。





そして、クーのことが好きなこと。



52 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:39:12.38 ID:tGKLqWfk0
(;A;)「ねぇ、おばちゃん、俺どうしたら良いんだろ」

(;A;)「まだちゃんと仲直りしてないよ、『好きだ』って言ってないよ」

(;A;)「でも、クーはいなくなっちゃう、教えてくれよ!」

从^ー^从 コックリ

おばちゃんは「大変だったんだねぇ」と俺の頭を撫でてくれたあと

从^ー^从「でもねぇ、おばちゃんは聞いてあげることくらいしかできないんだよ」

「ごめんねぇ」と謝るおばさん、「でもねぇ…」

从^ー^从「その答えを知ってる子なら知ってるよ」

(;A;)「へぇ!?」

入ってらっしゃい!と入り口のほうに声を掛ける。
入り口にいた人物は迷っているようだが、意を決したのか店内に入ってくる。

川;゚ -゚)「ども…」

バツの悪そうな顔をしたクーだった。



53 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:41:00.27 ID:tGKLqWfk0
(゚A゚)

あまりのことに固まってしまう。
なに?まさか全部聞かれてたの?今の?

川;゚ -゚)「実は転校することになったんだ」

从'ー'从「…そう」

川;゚ -゚)「いつごろまで向こうにいるのかはわからない。
     そのあともこの街に戻って来られるかわからないんだ」

从'ー'从コックリ

俺にしたときと同じように黙って頷くおばさん。

川 - -)「だから、もうここには来られないかも知れないんだ…」

川 ゚ -゚)「今日はそれだけ言いにきた『さよなら』は言いたくないんだ
     ここは私にとって、大切な場所だから」

从^ー^从「行っておいで、私が元気なうちはここは開けておくから」

川 ゚ー゚)「ありがとう、それじゃ『行ってきます』」

川 ゚ -゚)「さてと、次はそこで固まっているバカだな」

川 ゚ -゚)「おい!ドクオ!」

((((゚A゚))))「あばばばばばばばば!」



54 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:43:07.89 ID:tGKLqWfk0
ピギャァァ!(゚A(⊂三(゚- ゚#川 オキロ!

ウァァァ!(゚A(#>⊂川#゚ -゚)「おばさん、このバカ借りてきます」

从^ー^从「あら、返さなくっても良いのよ?」

川*゚ー゚)「それは、このバカと話して決めます」

从^ー^从「そう…がんばってね」

微笑み見送るおばさん、この人はやっぱり何でもお見通しだ。
クーに引きずられながら辿り着いた先は

――やっぱりあの川原だった

川 ゚ー゚)「やっぱり懐かしいな、ここは」

川 ゚ー゚)「おっ、この木もまだある、変わらないな…」

クーははしゃいでいる、あの時以来ここには来ていなかったようだ。

('A(#)「…イテェ」

俺は痛む頬をさすりながらその様子を眺めていた。
身長こそ伸び、体は女性らしい曲線を帯びてきてはいるが
その表情は子供の頃に戻ったように、無邪気に輝いている。



55 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:45:16.47 ID:tGKLqWfk0
川;゚ -゚)「…痛むのか?」

ぼんやりしているとクーが俺の顔を覗き込んでくる。
突然近づいた距離にドギマギしてしまう。

('A(#)「…イテェよ、なんだありゃ?いきなり殴りやがって」

川;゚ -゚)「済まなかったな、ああでもしないと起きないと思って…
     薬でも持ってきてやろうか?」

('A(#)「いいよ、冷やせば治るし、それに――」

川;゚ -゚)「それに?」

('∀(#)「また虫歯の薬なんか持って来られても困るしな」

川;゚ -゚)「虫歯の薬…?」

一瞬、きょとんとした表情を浮かべるが、
思い出したのか、顔が真っ赤になってくる。

川///)「ああああれは何だ?その、あれで…」

('∀(#)「顔を殴られて虫歯の薬をもらったのはあれが最初で最後だな~」

予想以上に動揺するクーが面白くてからかい続ける。



56 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:47:21.31 ID:tGKLqWfk0
川///)「ぐぅぅ」

('∀(#)「あれ?今どんな気持ち?思い出いじられてどんな気持ち?」

「調子に乗るな!」川#゚ -゚)三つ)∀(#) ウボァー!

(#)A(#)「…スイマセンデシタ」

川#゚ -゚)「まったく、小さい頃は素直で可愛らしかったのに
     いつからそんな生意気な口を利くようになったんだ?」

川 ゚ -゚)「…まあいい、今度はこっちの番だ」

川 ゚ー゚)「初めて会ったとき、おばさんの店の前で
     泣いてたのは誰だったかな?」

Σ(#)A(#)

川*゚ー゚)「『カ-チャンに褒めて貰えないよぅ』って泣いてた
     誰かさんは可愛かったぞ」

(//A//)「ちょ!?止めろって!」



58 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:48:59.05 ID:tGKLqWfk0
川*゚ー゚)「あれも酷かったな、ブローチを川に落としちゃったときに
     『僕の宝物と交換してあげるよ』って取って置きがブーンのバッジだったし…」

川 ;-;)「挙句川にはまって溺れかけて…
     あの時は心配したんだぞ?ホントに」

川 ;-;)「私にはドクオしか友達がいなかったから、私のわがままで
     ドクオが死んじゃったらどうしようって…」

川 ;-;)「ドクオがいなくなっちゃうって思ったら、涙がどんどんあふれてきて」

('A`;)「クー、もう良いから…」

川 ;-;)「ドクオの家に行ったときだって、
     ちゃんと謝って仲直りしたかったのに
     お母さんに止められてできなかったし」

川 ;-;)「転校だってしたくないよぅ!
     嫌われてても良いからドクオがいるこの町にいたかったのに」

('A`;)「クー!」

俺はクーを抱き寄せその頭を肩に抱いた。
…ホントは胸に抱きたかったけど、二人の身長差がそれを阻んだ。

川 ;-;)「うぁぁぁぁぁぁぁ!」

クーは泣き止まない、まるで子供にかえったように。
俺はいつまでもその涙を受け止めていた。



59 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:50:17.72 ID:tGKLqWfk0
('A`;)「大丈夫か?」

川 ゚ -゚)「…あぁ、済まなかった」

泣くだけ泣いて落ち着いたのか、いつものクーに戻っていた。

川 ゚ -゚)「服、濡らしちゃったな」

俺の制服の肩口はクーの涙で濡れていた。

('A`;)「あぁ、いいよ、ほっときゃ乾くし」

川 ゚ー゚)「しかし、締まらないな、女の子を胸で泣かせてやれないなんて」

(#'A`)「うるせぇ!中学男子の成長期を舐めんな!」

川 ゚ー゚)「ふふ、期待しておくよ、次に会う頃には私よりも大きくなっててくれよ」

(#'A`)「あぁ!見上げさせてやるぜ!」

「それは大きすぎるな」と笑って彼女は顔を伏せた。

川 - -)「今日は良かったよ、渡辺のおばさんに挨拶できたし
     懐かしいモノにもいっぱい触れた…」

川 ゚ー゚)「お前に嫌われていないこともわかったしな」

(//A//)「…やっぱり聞いてたのか?」



61 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:52:30.48 ID:tGKLqWfk0
川 ゚ー゚)「あぁブローチの件の辺りからな」

(#'A`)「ほとんど全部じゃねぇか!立ち聞きしてんじゃねぇ!」

川 ゚ー゚)「あんな話をおばさんの店でするほうが悪い、丸聞こえだ」

(#'A`)「くそぅ、迂闊な…!自分に腹が立つ!」

川 >-<)「俺のバカバカバカバカバカァ~」

川 ゚ -゚)「…とか?」

(#'A`)「…からかうなよ?」

川 ///)「すまん、でも、嬉しかったぞ、その…」

(//A//)「あ…うん」

川 ///)「なぁ、直接言ってくれないか…?」

(//A//)「え゙」

川;゚ -゚)「…ダメなのか?」

(//A//)「えぇ、あぁ、なんつーか、改まるとスゴクハズカシイと言うか」

川;゚ -゚)「そうか、その言葉があれば離れていても頑張れると思ったんだが」

畜生、そんな顔されたら断れないじゃないか。



62 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:54:03.69 ID:tGKLqWfk0
(//A//)「い、1回しか言わないからな!」

川 ゚ー゚)「あぁ、十分だ」

(//A//)「ク、クク、クー、好きでゃぁ」

川;゚ -゚)「…」

噛んだ、一番重要なところを噛んでしまった。

川#゚ -゚)「おい、今ので1回とか言うんじゃないだろうな?」

('A`;)「ダメっすかね?クーさん?」

川#゚ -゚)「当たり前だ!ちゃんと言えるまでやり直してもらうぞ!」

('A`;)「デスヨネー」

***ただいま絶賛告白中です、もうしばらくお待ちください***




('A`)「クー、好きだ」

川;゚ -゚)「なんだかあんまり感慨も湧かないが…」

('A`)…ウツダシノウ

…結局、最後まで言えたのは30回を過ぎてからだった。



64 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:55:54.84 ID:tGKLqWfk0
…('A`>⊂(゚- ゚;川「ちょっと待て、私の返事は聞いてくれないのか?」

('A`)ヘンジ?

川;゚ -゚)「そうだ、ちゃんと返事を聞くまでが告白と言うものだろう」

('A`;)「返事も何も…」

俺に30回も告白させといて「やっぱりゴメン」とかだったら死ねるな。
うんそうだ、このまま川にダイブしよう。

川 - -)「ドクオの気持ちは素直に嬉しい。私なんかを好きになってくれてありがとう」

川 ゚ -゚)「おばさんの店で報告したとおり、私が帰って来られるのは
     いつになるかわからない」

川;゚ -゚)「それでも…それでも私を待っていてくれるか?」

('A`;)「なんだよそれ…」

(#'A`)「返事を聞いてくれなんて言っておいて
    結局最後は俺に選ばせるのかよ!?」

川;゚ -゚)「違うんd(#'A`)「何が違うんだよ!」

(#'A`)「俺の気持ち立ち聞きして結果を知っておいて
    絶対有利な立場からモノを言うのか!?」



66 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:57:16.54 ID:tGKLqWfk0
(#'A`)「まずはクーの気持ちを言ってみろ!それがYESなら――」

(#'A`)「俺は何年でも何十年でも待ってやる!!」

川;゚ -゚)「……」

(#'A`)「…あれ?」

(;'A`)「俺、今なんて言った?」

川;゚ -゚)「『何年でも何十年でも待ってやる』と言った」

(ゝ'A`)ゝ「うあぁぁぁ!死にたい!そうだ!この川に飛び込んで――」

「落ち着け!」川;゚ -゚)つ<ゝ'A`)ゝハナセェェ!

川;゚ -゚)「まずは謝らせてくれ、済まなかった、確かに私は卑怯だった」

川 ゚ -゚)「私もドクオのことが好きだ」

(ゝ'A`)ゝ「はぇ?」



68 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 00:59:03.56 ID:tGKLqWfk0
川 - -)「ただ、何年も待たせてしまうから…」

川 ;-;)「忘れられてしまうんじゃないかって不安で」

(;'A`)「忘れねぇよ、何年経ったって忘れねぇ」

('∀`)「仲直りまで4年待ったんだ、あと何年でも待てるさ!」

川 ;-;)「ありがとう、ドクオ、必ず帰ってくるから待っていてくれ」

('∀`)「あぁ!またおばさんの店で会おう!」

――数週間後、クーは家族とともに機上の人となっていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「良いの?見送らなくて…」

('A`)「良いんだよ」

(;^ω^)「おっ、ドクオが怒らないお?何かあったのかお?」

あの後、ツンが謝ってきた。
ブーンにおばさんの店でのことを聞いたようだ。

('A`)「別に、何もねぇよ」

川原での約束はクーとの間の秘め事、俺の胸の中にだけあれば良い。
あとは、クーが帰ってくるのを静かに待とう――




69 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:01:05.98 ID:tGKLqWfk0
~数年後~
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「ドク坊、今日はもう上がっていいぞ」

('A`)「はい、お疲れ様です、お先に失礼します」
  _、_
( ,_ノ` )y━・~「明日は予定通り休んでいいからな」

('A`)「はい、ありがとうございます」
  _、_
( ,_ノ` )y━・~「…女か?」

(//A//)「な!?」
  _、_
( ,_ノ` )y━・~「そうかそうか、ついにドク坊にも春が来たか、楽しんで来いよ」

(;'A`)「からかわないで下さいよ、それとドク坊はいい加減に…」
  _、_
( ,_ノ` )y━・~「何言ってやがる、童貞のうちはドク坊で十分だよ」

(゚A゚)「どどど、童貞ちゃうわ!」

俺は地元の工業高校を卒業し、渋沢のおじさんの会社(町工場だが)に就職した。
ブーンとツンは共にvip大に進学している。
今でも微妙な距離感は変わっていないようだ。



70 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:03:06.80 ID:tGKLqWfk0
('A`)(いよいよ明日か…)

2週間ほど前クー『vip大に編入するため帰ってくる』旨の手紙が届いた。
早速ブーンとツンに連絡し、渡辺のおばさんの店に集まることにしたのだ。

('A`)(あれからもう6年か…)

川原での約束の日から6年、俺は18歳クーは19歳になっていた。
あれから身長も伸び、毎日の仕事で体もがっしりしてきた。

クーがどんな風になっているか想像してみるが、
頭に浮かぶのは最後に見た泣き顔だけだった。

('A`)(寝坊してもマズイから今日は早く寝よう)

いつもよりもかなり早く布団に潜り込む、
期待と不安で寝付けないかと思ったが、疲れが溜まっていたのか
いつの間にか眠りに落ちていた。




71 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:05:18.03 ID:tGKLqWfk0
('A`)「こんちは、おばちゃん」

从^ー^从「いらっしゃい、ドクオ君。もうみんな来てるわよ」

( *^ω^)ノシ「ドクオ、おいすー」

ξ゚⊿゚)ξ「久しぶりね、ドクオ」

ブーンたちは店内でくつろいでいた、
見るとブーンの周りにはお菓子の食べかすが散らばっている。

(;'A`)「おぅ、しばらくぶりだな。ブーン、お前もう食ってんのか?」

( *^ω^)「おっ、懐かしい味ばかりで美味しいお!」

从^ー^从「ブーン君は昔からお得意さんだからねぇ」

ξ;゚⊿゚)ξ「そんなんだから太るのよ…」

ツンにとってはブーンのお腹周りが気になるようだった。

(;'A`)「そういやちょっと丸くなったんじゃないか?」

( ;^ω^)「おっ、そんなこと無いお!ただ3kgばかり増えただけ…」

ξ#゚⊿゚)ξ「もう!クーが来るまでお菓子は没収よ!」

ブーンは抗議するがツンはお菓子を取り上げて睨み付ける。



73 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:07:06.90 ID:tGKLqWfk0
( ´ω`)「おー、クー遅いおー。まだ来ないかおー」

クーが来るまでお預けを食ってしまったブーンは、途端にクーを待ち遠しそうにする。

(;'A`)「もうそろそろだと思うけど、手紙にも大体の時間は書いてあったし…」

ξ*゚⊿゚)ξ「あれだけクーの話題を避けてたのに、
       ドクオにだけ手紙なんて、いったい何があったのかしら?」

ツンが興味深そうな視線を無視して「ちょっと様子を見てくる」と店を出た。

('A`)「…あそこに行ってみるか」

俺は歩き出す、クーがおばさんのところ以外に行くとしたら1ケ所しかない。
路地を抜け、土手を登り、川原に辿り着くと

川川 )「……」

そこにクーがいた。

('A`)「クー!」

川 ゚ー゚)「…ドクオ」

土手を駆け下り、クーの下に駆け寄る。



74 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:09:02.42 ID:tGKLqWfk0
川 ゚ー゚)「久しぶり…待たせたな」

('A`)「うん、久しぶり…そんなことないよ」

川 ゚ー゚)「約束、守ってくれたんだな」

('A`)「約束?…ゴメン、なんだっけ?」

川 ゚ー゚)「忘れたのか…?」

そういって俺の背中に手を回す、クーの甘い香りが俺の鼻腔をくすぐる。
ちょうど俺の胸に顔を寄せる格好になっている。

(//A//)「え?ちょ?」

川 - -)「背、伸びて、なんだかたくましくなったみたい…」

(;'A`)「あ、うん、毎日仕事で体動かしてるし、高校のとき伸びたから」

川 ゚ー゚)「そうか…もう6年だもんな」

6年、大人になっても長い時間だ。
特に思春期の子供たちなら見違えるようになっていてもおかしくは無い。

('A`)「うん…、クーもキレイになったよな」

クーはキレイになっていた、もう以前の少女の面影はなく
一人の女性に成長していて、俺の心を捕らえて離さない。



75 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:11:05.63 ID:tGKLqWfk0
川///)「口も達者になったみたいだな、もう彼女でもいるんじゃないのか?」

('A`)「そんなこと無いよ」

川 ゚ー゚)「あぁ、うん、わかってる。
     口が上手くなってたから、ちょっと心配しただけだ」

('A`)「え、それってy川///)「そろそろ行こう、みんな待ってるんだろう?」

照れ隠しなのか、歩き出すクー。

(;'A`)「あ、ちょっと待って」

クーを引きとめ、彼女の手にあるモノを握らせる。

川 ゚ -゚)「これ…持っててくれたのか?」

(;'A`)「うん、ずっと返せなくてゴメン」

川 ;-;)「いや、嬉しいよ、ありがとうドクオ」

それはあの日、川の中に落ちてキズだらけになってしまったブローチだった。
年月を経たそれはくすんで当時の輝きを失ってしまっている。

(;'A`)「ゴメン、キズだらけになっちゃって…」

川 ;-;)「いや、コレがいい、これは私の最高の宝物だ」

彼女はとても大事そうにそれを胸元で握り締めている。



77 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:13:02.56 ID:tGKLqWfk0
('A`)「そろそろ行こうか、ブーンが痺れを切らしてる」

ブーンがツンにお預けを食っていることを告げると、

川 ゚ー゚)「そうか、それは悪いことをしたな、あの二人も相変わらずのようだな」

川*゚ー゚)つ⊂('A`*)

俺とクーは手を取り合って歩き出す。

( #^ω^)「おっ、二人とも遅いおー!お腹ペコペコだお!」

ブーンが店の前に立って待ちきれないといった風情で大声を上げる。

ξ#゚⊿゚)ξ「あんたはちょっと空気読みなさい!」

ツンに怒鳴られしょんぼりするブーン。

川 ゚ー゚)「帰ってきたんだな、ここに…」

二人のやり取りを見て微笑むクー。

从^ー^从「おかえりなさい、クーちゃん」

川 ゚ー゚)「ただいま、おばさん」

変わらぬ笑顔で迎えてくれる渡辺のおばさん。
全てが変わらぬ暖かさでクーを迎え入れてくれていた。



79 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:15:13.38 ID:tGKLqWfk0
从^ー^从「さぁさぁ、乾杯しましょ」

ξ*゚⊿゚)ξ「ドクオ、音頭とって」

(;'A`)「お、おれ?」

( #^ω^)「いいから早くするお!」

川 ゚ー゚)「頼んだぞ、ドクオ」

ジュースを手に取ったみんなの注目が集まるので緊張してくる。

川 ^ー^) ニッコリ

手を引っ張られたので振り返ると「大丈夫」と言う様にクーが微笑んでいる。
その途端、緊張がうそのように引いていく。

(;'A`)「えー、それじゃ…クーお帰り!」

(;'A`)ノ「かんぱーい!」

ξ*゚⊿゚)ξノ( *^ω^)ノ「カンパーイ!!」ヽ(゚ー゚ 川ヽ从^ー^从




81 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:17:12.70 ID:tGKLqWfk0
乾杯を済ませると、ブーンは待ちきれないようにしてお菓子をほおばる。
ツンがそれを注意し、渡辺のおばさんが微笑みながらそれを見ている。

川 ゚ー゚)「変わらないな、みんな」

(;'A`)「あぁ、でもあの二人はもうちょっと変わらないとな」

ξ#゚⊿゚)ξ< ;^ω^)

がっつきすぎたブーンがツンにつねられている。

川;゚-゚)「確かに、そうかも知れないな」

ξ*゚⊿゚)ξ「クーさん、二人の世界作ってないで
       色々話を聞かせてくださいよ!」

川 ゚ー゚)「あぁ、そうだな。それから『さん』も敬語もいらないぞ」

ξ*゚⊿゚)ξ「わかったわ、クーこれからもよろしくね」

クーはブーンとツンのところに行く、代わりにおばさんがやってきて、

从^ー^从「良かったわね、ドクオ君」

('A`)「はい」

从^ー^从「もう離しちゃダメよ?」

(*'A`)「…はい!」



83 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:19:14.81 ID:tGKLqWfk0
川*゚ー゚)「ドクオ、お前もこっちに来い」

(*'A`)「あぁ、今行く」

色とりどりのお菓子はもう誘惑の声を上げることはない。

壁には銀玉鉄砲や火薬鉄砲、おもちゃの刀などが掛けられているが、
冒険心の代わりに懐かしさを憶えさせる。

从*^ー^从ニッコリ

渡辺のおばさんは昔と変わらぬ笑顔を見せている。

ξ*゚⊿゚)ξ( *^ω^)

気心の知れた昔馴染みがいる。

川 ^ー^)

――そして、最愛の女性がいる。

やっぱりこの俺にとって、このお店は昔と変わらず宝石箱だ――




86 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 01:31:29.46 ID:BP3R6XrLO



    ~('A`)の宝石箱のようです~


                ~おわり~




106 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 09:22:10.30 ID:1ORjqAwb0
~おまけ~

从;'ー'从「ふぅ、なんだか疲れたねぇ…」

(;'A`)「ムリして倒れたりしないでくれよ、おばちゃん…」

从;'ー'从「孫娘も手伝ってくれてるし、そろそろ引退かねぇ」

(;'A`)「引退って…それよりおばちゃん家族いたのか?」

从#'ー'从「失礼な子だね!あたしにだって家族くらいいるよ!」

(;'A`)「ゴメン、なんかおばちゃんって『このお店の一部』みたいな気がして…」

从'ー'从「古くから来てくれる子は皆そう言うよ」

从*^ー^从「あたしにとっては一番の褒め言葉かもしれないね」

~おばちゃんにも家族がいたようです~

ここまで保守してくださった皆様、ありがとうございます。
お礼代わりのおまけです。
どうか楽しんでくださいね。



114 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 12:38:59.02 ID:YHlo4bjE0
やあ 从'ー'从

ようこそ、渡辺のお店へ。
このパレードはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

* * 中 略 * *

じゃあ、注文を聞こうか。

ξ;゚⊿゚)ξ「おばちゃん…?」

从'ー'从「あらツンちゃん、このあいだ雑誌で見たのよコレ、どうかしら?」

ξ;゚⊿゚)ξ「よくわからないけど、止めたほうがいいと思う…」

从'ー'从「そう?残念だわぁ」

ξ;゚⊿゚)ξ(どんな雑誌なんだろう…)



116 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 12:59:40.74 ID:YHlo4bjE0
('A`)「おばちゃん、こんちはー」

从 ゚∀从「ん、誰だテメェ?」

(;'A`)「あれ?誰?おばちゃんは?」

从#゚∀从「こっちが聞いてんじゃねぇか!答えられねぇってことはドロボーだな!?」

(;'A`)「え?何?ちょっ?」

ホウキアタック!!从#゚∀从っ--∈)A`)ギャァァ!

从'ー'从「ただい…なにやってるの!」

「おう、ばあちゃん!ドロボー捕まえたぜ!」从#゚∀从っ<A )キュウ

从#'ー'从「このバカ!この子はお客、常連さんよ!」

「え゙」从!i゚∀从っ<A )キュウ

从;'ー'从「ドクオ君、しっかりして!ドクオ君!!」

(((゚A゚)))「ウワァァァ!」

从;'ー'从「ゴメンね、ウチの孫が失礼なことして」

(;'A`)「え?孫?おばちゃんの?」

从*゚∀从「孫のハインでぇーす、ゴメンな?おっさんだったしドロボー顔だったから」



117 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 13:10:42.36 ID:YHlo4bjE0
从#'ー'从「ハイン!ちゃんと謝りなさい」

从*゚∀从「えぇー、だって子供しか来ない店におっさんが来たら怪しいじゃん?」

从;'ー'从「それは…そうだけど」

(;'A`)「…しばらく来るの控えようかな」

从;'ー'从「ち、違うのよドクオ君、クーちゃんとお付き合いしてるはずなのに
      毎週のようにここに来てるとか、ご近所から不審者の通報があったとか
      そういうことを言ってるんじゃないんだからね?」

从;゚∀从「あーぁ、知らねーっと」

(;'A`)「…樹海ってどこっすかね?」(フラ~っと出てく)

从;'ー'从「ちょっ、ドクオ君!?ドクオ君!?」



120 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 13:36:26.56 ID:YHlo4bjE0
~カーチャンの再婚~

J( 'ー`)し「ドクオ、ちょっと良いかしら?」

('A`)「なに?カーチャン?」

J(*'ー`)し「実は会って欲しい人がいるの、お前も良く知ってる人よ」

(;'A`)「え?なにこの展開?」

ブーーーーー

J(*'ー`)し「あ、来たわ」

<ドウゾ、イラッシャイ、アガッテクダサイ   (;'A`)「……」
  _、_
( ,_ノ` )「よう、ドク坊!」

Σ('A`)「しゃ、社長!」
  _、_
( ,_ノ` )J(*'ー`)し「ウフフ、実はね再婚することにしたの」

(;'A`)「えぇぇぇぇ!?」
  _、_
( ,_ノ` )「ドク坊にだけは許可をもらわないとな」

J(*'ー`)し「ドクオ、祝福してくれるかしら…?」


121 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 13:46:20.80 ID:YHlo4bjE0
(;'A`)「いや、もう俺も働いてるしカーチャンが幸せならいいけど…」

J(*'ー`)し「ウフフ、ありがとうドクオ」
  _、_
( ,_ノ` )「これからは親子だな、よろしくドク坊」

(;'A`)「よ、よろしくおねがいします…」
  _、_
( ,_ノ` )「会社の外では敬語はいらないぞ」

J(*'ー`)し「急にはムリよ、ア・ナ・タ(ハァト)」
  _、_
( ,_ノ` )「それもそうだな、オ・マ・エ」

<ウフフ、イヤァダ、アナタ  イイジャナイカ、ハレテ フウフ ニナッタンダカラ

(;'A`)「……」

<アン、ダメヨ、アノコガ…  キコエタッテイイジャナイカ…

三(;ゝ'A`)ゝ「うぁぁぁ!聞きたくねぇぇぇ!」(夜の街に消えるドクオ…)



124 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 14:07:51.77 ID:YHlo4bjE0
~説得~

(;'A`)「しかし、よくあのお袋さんが交際を認めてくれたな」

川 ゚-゚)「何を言ってる、ドクオが頑張ってるのを認めてくれたんじゃないか」

(;'A`)「それは嬉しいけど、何か釈然としないって言うか…」

川 ゚-゚)(ドクオには言えないがアレが効いたんだろうな)

 * * * * *

川#゚-゚)「…もういい、認めてくれないなら家出する!」

('、`#川「できもしないくせに!やれるものならやってみなさい!!」

川#゚-゚)「本当にいいのか?私みたいな世間知らずが家出したら
     悪い男に捕まって薬漬けにされて、病気をうつされた挙句…

('、`;川「止めて!母さんその手の話はダメなの!止めて!!」

川#゚-゚)「四肢を切り落とされて、ダ○マ女として東南アジアあたりに
     売られていくんだぞ!それよりはマシだろう!」

(;、;*川「うぅ、認めるから!認めるからもう止めてぇぇ!!」

 * * * * *

川 - -)(言えない、ドクオにだけは言えない…)


127 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 14:26:39.94 ID:YHlo4bjE0
~天敵~

从 ゚∀从「また来たな、おっさん」

(;'A`)「おっさん言うなよ」

川#゚-゚)「ドクオをバカにすると許さないぞ」

从 ゚∀从「しっかし、アンタみたいな美人がこのおっさんの彼女とはねぇ…
      おっさん、一服盛ったのか?」

(#'A`)「バk川#゚-゚)「これ以上ドクオをバカにすると怒るぞ!」

从#゚∀从「おもしれぇ、どう許さねぇのか見せてもらおうじゃねぇか!」

川#゚-゚)「フン!渡辺ハインリッヒ、16歳vip高校在学中で彼氏はいない…

从;゚∀从「え゙」(;'A`)「…」



128 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 14:36:03.81 ID:YHlo4bjE0
川#゚-゚)「日本人の父とドイツ人の母のハーフで幼少期をドイツで過ごす
     趣味はコスプレで从;゚∀从「うわぁぁぁ!やめろぉぉぉ!」

川#゚-゚)つ□「…止めはコレだ!」

从 ∀从 チーン

从;゚∀从「なな、なんでコレを…」

川#゚-゚)「須名家の情報網を舐めるなよ、その気になればコレを一般に公開…」

从 ;∀从「イヤァァァ!ヤメテェェェ!それだけは、それだけはぁぁ!!」

川#゚-゚)「なら、もうドクオをバカにしないな?」

从 ;∀从「もうしません、もうしませんからぁぁ」

川*゚-゚)「よし、もう大丈夫だぞ、ドクオ」

(;'A`)「…あ、あぁ」

(;'A`)(何が写ってたんだろ…?それより…)

(;'A`)(俺、クーと付き合っていて大丈夫なのかな?)

:从 ;∀从: ヒィィィ


130 : ◆4dw0vE5KZE :2009/05/03(日) 14:48:08.07 ID:YHlo4bjE0
>>129
カワイイと言うより怖いですね、ここまで来ると。

さて、楽しかったですが、これ以上書くと
クーがますます壊れていきそうなので、そろそろ終わりにします。

ハイン視点のお話も面白そうなので、
機会があったら「从 ゚∀从は駄菓子屋さんのようです」も書いてみたいですね。

それでは!







('A`)の宝石箱のようです
ttp://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241274270/
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